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2015年度 卒業証書・学位授与式を挙行しました

2016年03月12日

3月12日、大勢の保護者のみなさま方、ご来賓、教職員が見守る中「2015年度 卒業証書・学位授与式」がおこなわれ、それぞれの夢を叶えた卒業生が清泉女学院から旅立ってゆきました。

学長式辞

卒業生の皆さん、おめでとうございます。ご多忙の中、ご列席いただきましたご来賓の皆さまと、ここに集う本学教職員一同とともに、心よりお祝いを申し上げます。

 短期大学での2年間、大学での4年間を、上野の清泉で学んだ皆さんはとても幸運な女性です。

 手元の2012年の統計では、短大を含む大学進学率は、日本の女性の場合、58%ほどで、モンゴルの72%にも遠く及ばないのです。

 2015年UNDPの人間開発報告書によれば、世界で、最も広く見られる差別はジェンダーによる差別であり、世界全体で女性の所得は男性を24%下回り、企業で管理職の地位にある女性の割合は25%です。こうした現実をふまえ、ジェンダーによる障壁を全く排除した環境の中で、女性がすべての能力を発揮する体験ができるように設計された教育機関が、女子大です。これから女性の活躍が一層期待されている21世紀の日本を変えていくのは、間違いなく、女子大で学んだ学生たちだと、私は確信しています。

 清泉女学院は、ただの女子大ではなく、カトリックのミッションスクールです。その学びの中心にあるものは、ひとことで言えば、「愛」です。キリシタン時代には、新約聖書の言葉であるギリシャ語のアガペーは、誤解を招きやすい「愛」ではなく、「御大切」と訳されました。愛は「大切、大事にする」こころと言った方がたしかに分かりやすいでしょう。「敵を愛せ」と言われても、敵を好きになることは難しい。でも、たとえ、敵であっても、相手の存在を認め、その存在を大事にすることはできる。他者を愛することは、執着することではなく、大切にすることです。そして、福音の重要なメッセージは、例外なく、すべての人、一人一人が、神から愛される、つまり、大事にされる、大切なかけがえのない存在であるということです。

 これからの人生では、予期せぬ、不運に見舞われることもあるでしょう。考え抜いた正しい行いをしたために、かえって、不利益を蒙り、謂れなき非難を浴びるようなことが起こるでしょう。あてにした誰かに裏切られ、全世界から見放されたように思える時があるかもしれません。

 そんな孤立無援の絶望的状況に陥ることがあっても、大丈夫です。

 思い出してください。清泉の校舎に刻まれたラテン語の句を。たとえ、世界中があなたを無視したとしても、あなたをずっと見守っている、確かな存在があるのです。本学の校舎に刻まれているDOMINUS TECUM「神はあなたとともにいる」とは、そういう意味です。

 5年前の3月12日、前日の地震と津波につづいて、長野県北部でも大きな地震が発生し、福島第一原発の水蒸気爆発が起こりました。

 何故、いま、自分が生かされているのか、その不思議を思い、どんな時も、SURSUM CORDA 心を高くあげて、すべての過ぎゆくものの奥にあって、変わることのないなにかへ思いをはせて下さい。

 あなたがたの笑顔が、傷ついた世界を変えていきます。

 世界をより善いものに変える皆さんを、本日、社会に送りだせることは、私たち清泉の教職員にとって、大いなる喜びであり、誇りです。

 どうか、これからも、卒業生として、本学の未来を支えて下さい。

 卒業生のみなさんの末長いご多幸と、社会での御活躍をお祈りするとともに、本日、御列席のご家族、関係者の皆様へ、これまで本学にいただいた暖かいご支援を深く感謝申し上げて、式辞の結びと致します。

                      清泉女学院大学・短期大学

                      学長 芝山 豊

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