清泉女学院大学 清泉女学院短期大学

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「文化学科」設置記念 連続講座のお知らせ

文化学科の設置を記念し、『文化資源のつなぎ方~デジタルアーカイブの可能性~』と題した連続講座を企画しました。
研究者や技術者、企業や自治体の方々をお招きし、広く公開しながら考える講座を3回連続シリーズで行います。

「文化学科」は、「つむぎ、つなぎ、つくりだす」を学びのコンセプトとして、リベラルアーツ(教養教育)+文化に対する広い専門知識を用いて、未来社会を創り出すための企画実践力を持った課題解決型の人材を育成します。
また文化学科では新規資格課程として、学芸員課程を設置します。
学芸員は博物館で働く専門職員となる資格で、調査研究、資料の収集、企画や展示、教育普及活動などを司ります。
近年、文化資源の保存や活用、観光や地域振興との関わりなど、歴史資料や美術作品、公文書などのデジタルアーカイブによる保存と利活用に注目が集まっています。

文化資源のつなぎ方~デジタルアーカイブの可能性~

  • 公開学習会①
    「博物館・美術館におけるデジタルアーカイブの今」

    ※ 終了しました ※

    講師

    一ノ瀬修一 氏(アイメジャー株式会社)

    日時

    4/28(土)14時~16時

    場所

    清泉女学院大学 F206教室
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  • 公開学習会②
    「文化資源がつくり出すつながり」
    ゲスト

    一ノ瀬修一 氏(アイメジャー株式会社)
    吉田雅光 氏(株式会社プラルト)

    日時

    5/26(土)14時~16時

    場所

    竹風堂 大門ホール
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  • 公開学習会③
    「岐路に立つ長野の文化資源」
    ゲスト予定者

    高野明彦 氏(国立情報学研究所教授)
    加茂竜一 氏(凸版印刷(株)文化事業推進本部担当部長)

    日時

    6/30(土)14時~16時

    場所

    長野市生涯学習センター TOiGO 4階・大学習室2
    (Google Mapで見る)

公開学習会①「博物館・美術館におけるデジタルアーカイブの今」のようす

講師:一ノ瀬修一氏(アイメジャー株式会社 代表取締役)
日時:平成30年4月28日(土曜日)、14時~16時
場所:清泉女学院大学キャンパス

第1回目は、松本市にあるアイメジャー株式会社の代表取締役の一ノ瀬修一氏をお招きし、「博物館・美術館におけるデジタルアーカイブの今」というテーマで大学キャンパスにて開催しました。参加者は、図書館や美術館などで文化財の保存に取り組まれている方をはじめ、市民の方、教員、学生など15名ほどでした。一ノ瀬氏は、非接触式の大型正射投影イメージスキャナ(オルソスキャナ)による文化資源のデジタル化のエキスパートとしてご活躍されています。高解像度の画像データ化による絵画や古文書の複製と保存の技術は、安曇野ちひろ美術館などで使われています。

ご講演の前半は、デジタルアーカイブに関する基本的知識、デジタルアーキビストとう資格、さらに学芸員の仕事についてお話いただきました。学芸員の有資格者数に対して、学芸員の職が少ない状況について、生涯学習活動として有資格者を含む市民が博物館を支えていくことの必要性を説明していただきました。また「何故デジタルなのか」というお話の中で、人間の五感(目、耳、手、身体など)の記録がアナログからデジタル化されてきた歴史に関するご考察は大変興味深いものでした。動画が、映画フィルムからビデオテープカメラ、そしてデジタルカメラへと変化してきたように、今や多くのことでデジタル化が進んでいるのです。さらに、インターネットが発明されると、人と人が繋がれてデジタルデータが交換される世の中になったことを知りました。

後半は、デジタル図書館などにみるデジタル情報のネットワーク化についてお話しいただきました。インターネットの普及は、どこでも、だれでも、必要な情報に獲得し、学習する機会のネットワークを作り上げました。2005年にEUの援助を受けて“Europeana”というヨーロッパの文化遺産にオンラインでアクセスできるデジタル図書館についてご紹介いただきました。その解像度のすばらしさに驚くとともに、デジタルデータを効率的に管理するシステムについて知ることができました。“Europeana”で取り組まれている、著作物に関するクリエイティブ・コモンズや継続性の工夫は、デジタルアーカイブを考えていくうえで重要であるとわかりました。

最後に、デジタルカメラとイメージスキャナの違いについて教えいただき、オルソスキャナについてご説明いただきました。オルソ画像によるスキャニングの特徴として、剣山を例にあげて、真上から撮影したオルソ画像をデジタルカメラの画像を比較すると、その再現性の違いがはっきりみられました。さらに、3次元の土器をスキャンする土器用オルソスキャナの仕組みについてご説明いただきました。講演会場にはデモ用のモニターが設置されており、土器、古地図、浮世絵などの実際の画像をみることができ、肉眼では見えないような微細なところまで読み取る技術の高さを実感しました。

今回の一ノ瀬氏のお話を通して、デジタルアーカイブは、原資料の代わりにデジタル化した資料を提供することにより、原資料をより良い状態のままで保存するだけでなく、再現性の高い資料によりオリジナルに触れた時の感動を伝えることができることを学ぶことができました。さらに、デジタル化した資料を使ってコンテンツとそれを求める人との出会いをプロデュースすることの可能性をお教えいただきました。

引き続き次回の講座にて、デジタルアーカイブの可能性を探りつつ、大学としての取り組みを考えていきたいと思います。