50221
小児期看護学特論
北村 千章
大学名 清泉女学院大学大学院
学部・学科 看護学研究科
開講キャンバス 東口 授業形態 講義
履修区分 選択必修 単位数 2単位
配当年次 1年 開講期
授業の概要

昨今の子どもと家族を取り巻く環境の変化に伴う課題や問題の考察を通して、慢性疾患や障がいのある子どものおかれた現状と支援の方法についての理解を深める。具体的には、先天性心疾患をもつ子どものひとり立ちにむけた自己管理能力を向上させるための幼少期からの病気の説明の重要性及び先天性心疾患をもつ子どもがひとり立ちするための母親の関わりについて、先天性心疾患を持つ子どもの出産から成人期に至るまでの事例を取り上げながら考察する。

学習到着目標

生涯発達の観点から、子どもと家族の発達および関連する理論の特徴を理解し、子どもと家族の諸健康問題を国内外の事例および文献から検討し、小児特有な健康問題について、実践的課題および研究動向を理解できる。

成績評価方法

課題の発表についての内容評価(60%)、発表の仕方・発表時のデスカッションの発言状況と参加姿勢・状況など(40%)により評価する。

課題に対する
フィードバック方法

講義中は教員が適宜指導を行う。また、各課題発表に対しては、その準備段階から助言や指導を行う。各課題発表と討論に参加し、発表と討論に対する評価を加えながら、学生に教育的フィードバックを行う。教員は、学生の発表内容に対して、幅広い視点でアドバイスを行い、学生の学習効果を強固なものにすると同時に、実行可能で質の高いものに精選していかれるように指導する。

アクティブ
ラーニング要素
□外部連携の課題解決型学習(協定あり) □ディスカッション・ディベート □グループワーク □プレゼンテーション(発表) □実習・実技・実験 □フィールドワーク □リアクションペーパー
授業計画
授業項目・内容 / 各回の準備学修(予習・復習)について / 担当
1 内容

【オリエンテーション】【基本的な小児看護学の概念】子どもと家族の理解に必要な、形態機能特徴・心理的・社会的側面の基本概念を概説する。子どもと家族の関係に関する諸理論を捉える。院生同士の関心領域について共有する。

予復習

予習:シラバスの精読         

復習:講義内容の整理

担当

北村 千章

2 内容

子どもと家族の現状と課題を理解するために、子どもと環境のダイナミックな関係について理解を深める。国内外の子ども・家族および子育ての動向について「国際人権条約・子どもの権利に関する条約」をもとに、現状や格差について事例をもとに討議する。

予復習

予習:「国際人権条約・子どもの権利に関する条約」について精読

復習:「子どもの権利に関する条約」を基に各自事例をまとめる

担当

北村 千章

3 内容

【子ども観の変換と課題】時代ごとの子ども観として、西洋史における子どの描写の特徴や日本における子ども観の変容について概観する。その中から子どものいのちの尊厳について理解する。

予復習

予習:指定文献の精読

復習:時代ごとの子ども観の変容について整理する

担当

北村 千章

4 内容

【発達の理解と発達研究の最前線】発達の諸理論の概説を基に、エリクソンの発達課題、家族のライフサイクルと発達課題に焦点をあてる。また発達研究をとりあげ、特に乳児の発達の最新科学の研究を映像から学ぶ。

予復習

予習:指定文献の精読

復習:発達の諸理論について整理する

担当

北村 千章

5 内容

【子どもの発達の支援:感性と適応力を育む】子どもの発達支援として、感性や適応能力を育むための、子どもの世界について理解を深める。発達と絵本および子どもの絵に関する理論を概説する。

予復習

予習:発達と絵本について文献を準備する

復習:絵本を1冊選択し、小レポート提出

担当

北村 千章

6 内容

【家族のレジリエンス】家族のレジリエンスについて基本的理解を図る。また、子育て環境の変化、人口動態、少子化、家族形態の変化について検討する。子どもの養育環境の現状と課題については、養育環境と格差の問題、支援体制について諸文献を取り上げて討議する。 

予復習

予習:現代の養育環境の現状と課題について事前学習

復習:講義内容の整理

担当

北村 千章

7 内容

【子どものストレス理解と支援】子どもの描画や身体表現の基礎知識を得る。また描画や身体表現から家族関係やおかれている環境について理解を深める。発達段階ごとのストレスや葛藤について事例をあげて理解し、支援方法を検討する。

予復習

予習:ストレス状態にある子どもの特徴について事前学習

復習:講義内容の整理

担当

北村 千章

8 内容

【子どもの虐待の理解と支援】児童虐待の問題を概観する。虐待による生涯発達への影響を脳科学の視点から検討する。また、ハイリスクのアセスメント指標や家族支援について事例をあげて検討する。さらに、虐待を受けた子どもの支援、家族支援、制度的支援体制と課題について討議する

予復習

予習:虐待に関する支援体制と課題について事前学習

復習:講義内容の整理

担当

北村 千章

9 内容

【子どもの健康維持増進と健康障がい】子どもの健康観および病気観について、慢性疾患や障がいのある子どものおかれた現状と課題について、遺伝性疾患のある子どもの事例から、「障害および健康の国際分類(国際生活機能分類)」をとりあげ検討する。

予復習

予習:海外文献を熟読し、日本と諸外国との支援体制の違いについてまとめる

復習:講義内容の整理

担当

北村 千章

10 内容

【健康障がいをもつ子どもと家族の諸問題】健康障がいおよび療養生活による子どもの発達や生活への変化と家族への影響を概観する。特に、医療的ケアが必要な子どもの就学支援の現状から、障がいがあっても教育をうけることの意義について概説し、資料をもとに討議する。

予復習

予習:医療的ケアが必要な子どもたち現状について事前学習

復習:討議内容の整理

担当

北村 千章

11 内容

【支援方法としてのケアリング概念】ケアリングの学際性および多様性を概観し、小児看護学におけるケアリングについて検討する。ケアリングに内包される属性の検討を通して、ケアすることとケアされることの関わりと相補的関係である看護実践を小児看護学の観点から検討する。

予復習

予習:指定文献の精読

復習:講義内容の整理

担当

北村 千章

12 内容

【子どもの痛みの理解と支援】子どもの疼痛に関する国内外の諸理論と研究をとりあげて理解を深め、子どもの発達・健康・生活の変化の観点から「子どもの痛み」への支援方法を捉え、課題の明確化および発展的支援方法を検討する。

予復習

予習:新生児看護学会の「新生児の痛みのケアガイドライン」の事前学習

復習:講義内容の整理

担当

北村 千章

13 内容

【災害時の子どもと家族の支援】災害時に起こり得る子どもと家族の変化やその影響について概観する。また、健康な子どもや障がい・慢性疾患のある子どもの災害時の支援について事例をもとに討議する。

予復習

予習:災害時の子どもの支援について事前学習

復習:討議内容の整理

担当

北村 千章

14 内容

【課題プレゼンテーション】

課題1)発達の諸理論から関心のある理論のプレゼンテーション、課題2)子どもを取り巻く環境と現象から関心のあるテーマをプレゼンテーションする。

予復習

予習:プレゼンテーションの資料作成

復習:講義内容の整理

担当

北村 千章

15 内容

子どものQOLや最善の利益のための支援について概観し、小児看護学研究の基礎となる知識の構築を図る。関連する研究の視座、子どもの研究に関連する理論、研究デザイン、データー収集について検討する。また国内外の小児看護学の発展的な支援について検討する。

予復習

予習:各自研究の方向性についてまとめる

復習:講義内容を基に各自の研究の方向性についてさらに検討する

担当

北村 千章

16 内容
予復習
担当
準備学修
(予習・復習)時間

「各回の準備学修」項目を確認し、講義・演習は4時間(実技・実習は2時間)程度の予習・復習を奨励します。

教科書

授業内で適宜資料等を配布する。

参考書・文献

『エピソードでつかむ生涯発達心理学』『基礎から学ぶ遺伝看護学』『在宅医療が必要な子どものための図解ケアテキストQ&A-家族と一緒に読める!』『Educating Children with Velo-Cardio-Facial Syndrome(Also Known as 22q11.2 Deletion Syndrome and DiGeorge Syndrome)』

履修条件

特に無し

ICT活用
実務経験
備考