10223
生命の倫理
稲葉 景
大学名 清泉女学院大学
学部・学科 看護学科 共通教育科目
開講キャンバス 上野 授業形態 講義
履修区分 選択 単位数 2単位
配当年次 1年 開講期
授業の概要

生命にまつわる諸問題を取り扱うことで、生命について倫理的、医学的、法的、社会的、科学的、技術的側面から考えてゆく。科学と技術の飛躍的な発展によって、人類はかつて出会ったことのない倫理的な問いにさらされている。さまざまな生命技術の進歩によって「できること」は増えているが、「してもいいこと」「すべきではないこと」を吟味する倫理的問題もたくさん生みだした。これらの問題のうち、特にいのちのはじめといのちのおわりの問題に焦点を当てて、いのちとは何か、いのちは誰のものなのかを考えながら、現代におけるいのちの倫理的問題を理解する。

学習到着目標

現代の生命倫理に関する諸問題をとりあげて、その課題を吟味し、さまざまな意見を知ることで、自らの考えを明確にする方法を学ぶ。生命倫理の諸問題にアプローチする視点と基準、その方法を身につけ。自分なりの意見を自分の言葉で表現することができるようになる。

成績評価方法

毎回のリアクションペーパー(45%)、期末レポート(55%)。授業への参加姿勢を重視する。 

課題に対する
フィードバック方法

生命倫理の各トピックにまつわる記事、いのちと医療、社会問題、法律、政治、哲学に関わる記事を配布するので、毎回事前に読んで授業の準備をする。授業のはじめに記事について解説し、トピックに関連づける。毎回の授業で授業全体のフィードバックをする。

アクティブ
ラーニング要素
□外部連携の課題解決型学習(協定あり) ■ディスカッション・ディベート ■グループワーク □プレゼンテーション(発表) □実習・実技・実験 □フィールドワーク ■リアクションペーパー
授業計画
授業項目・内容 / 各回の準備学修(予習・復習)について / 担当
1 内容

オリエンテーション―現代における「生命」「倫理」学の諸問題

技術の進歩によって、いのちのはじめも、いのちのおわりもコントロールできる範囲が広がっている現状を理解し、生命倫理学の意味を理解する

予復習

予習:現代のいのちにまつわるさまざまな問題をふりかえり、現代社会のいのちの取り扱い全般について、問題意識をもって授業に臨む。

担当
2 内容

不妊・不妊症治療

不妊や不妊治療の意味を正確に学び、日本における不妊治療の現状や不妊治療に取り組むカップルを取り上げ、不妊にかかわる倫理的課題を理解し、必要な解決策を考える

予復習

予習:不妊治療の諸問題に関する記事を読み、問題点を理解して授業に臨む。

復習:リアクションペーパーを書いて提出をする。

担当
3 内容

人工生殖(人工授精)

人工授精、特に第三者から提供された精子での非配偶者間人工授精(AID)での倫理的課題を両親・提供者・AID児の観点から多角的に考える

予復習

予習:人工授精についての記事を読み、問題点を吟味して授業に臨む。 

復習:リアクションペーパーを書いて提出をする。

担当
4 内容

人工生殖(体外受精)

体外受精によって起こる/起こりうる様ざまな倫理的課題を学び、両親・提供者・子どもの観点から多角的に考える

予復習

予習:体外受精についての記事を読み、予め問題点を把握してから授業に臨む。

復習:リアクションペーパーを書いて提出をする。

担当
5 内容

代理母出産

代理母出産について理解したうえで、代理母出産の倫理的課題を、依頼者・代理母・子どもの観点から多角的に考える

予復習

予習:代理母主産についての記事を読み、問題点を把握してから授業に臨む。

復習:リアクションペーパーを書いて提出する。

担当
6 内容

人工妊娠中絶①

人工妊娠中絶の現状や日本でも現在(2023年2月)承認申請がされている人工中絶薬について学び、ドイツなどの取組を紹介し、人工妊娠中絶の課題を考える

予復習

予習:人工妊娠中絶についての記事を読み、その現状と進捗を把握したうえで、問題点を考えてくる。

復習:リアクションペーパーを書いて提出をする。

担当
7 内容

人工妊娠中絶②

日本における性教育や望まない妊娠への予防教育の必要性について学ぶことで、人工妊娠中絶の今後の課題を自分なりに考える

予復習

予習:日本の性教育についての記事を読み、日本の問題点を理解して授業に臨む。

復習:リアクションペーパーを書いて提出をする。

担当
8 内容

出生前診断①

出生前診断の概要と、特にいわゆる新型出生前診断について学んだうえで、日本の現状と海外での事例から倫理的課題を理解する

予復習

予習:出生前診断についての記事を読み、概要を把握したうえで授業に臨む

復習:リアクションペーパーを書いて提出をする。

担当
9 内容

出生前診断②

出生前診断の背後にある障がいを事前に知ることでの課題を、両親・子ども・医療現場等様ざまな観点から捉え、自分なりの課題解決策を考える

予復習

予習:出生前診断についての記事を読み、考えを深めて授業に臨む。

復習:リアクションペーパーを書いて提出をする。

担当
10 内容

「赤ちゃんポスト」

望まない妊娠・出産に対して支援をする「赤ちゃんポスト」について学び、日本の現状を学びながら、今後必要な支援と倫理的課題を理解する

予復習

予習:日本での赤ちゃんポストに関する記事を読み、その現状と問題点をおおよそ理解して、授業に臨む。

復習:リアクションペーパーを書いて提出をする。

担当
11 内容

自殺

日本の自殺の現状、特に子ども・若者の自殺について学び、いのちは誰のものなのか、当事者や家族、友人等の観点から考え、自分なりの課題解決策を考える

予復習

予習:日本での自殺に関する記事を読み、その現状と問題点をおおよそ理解して、授業に臨む。

復習:リアクションペーパーを書いて提出をする。

担当
12 内容

脳死と臓器移植

新しい死である脳死とその背後にある臓器移植について日本の現状を学び、ドナー・レピシエント・家族・医療従事者等様ざまな観点から倫理的課題を考える

予復習

予習:臓器移植に関する資料に事前に目を通し、現状を理解したうえで授業に臨む。

復讐:リアクションペーパーを書いて提出をする。

担当
13 内容

安楽死

海外での安楽死の現状を学んだうえで倫理的課題を理解し、日本での安楽死導入への様ざまな意見に対して自分なりの意見を考える

予復習

予習:安楽死に関する資料に事前に目を通し、現状を理解したうえで授業に臨む。

復習:リアクションペーパーを書いて提出をする。

担当
14 内容

尊厳ある死

人間らしい尊厳のある死の迎えかたとは何か、延命治療について理解したうえで、日本での倫理的課題を当事者・家族・医療従事者等様ざまな観点から考える

予復習

予習:尊厳ある死に関する資料に事前に目を通し、現状を理解したうえで授業に臨む。

復習:リアクションペーパーを書いて提出をする。

担当
15 内容

まとめ

予復習

予習復習:期末レポートを作成提出する。(準備学習時間4時間以上)

担当
16 内容
予復習
担当
準備学修
(予習・復習)時間

「各回の準備学修」項目を確認し、講義・演習は4時間(実技・実習は2時間)程度の予習・復習を奨励します。

事前の資料の確認・事前課題やレポート、また毎回の授業内容に関して理解を深めるための参考文献・資料での学びの学習時間が必要となります。

教科書

教科書は使用しないが、授業のトピックに合わせて資料を適宜配付する。その他、視聴覚教材も利用する。

参考書・文献

葛生栄二郎他『いのちの法と倫理』(法律文化社)等

その他、テーマごとに授業中に適宜参考資料を配布する。

履修条件
ICT活用 ■自主学習支援【Google Classroomの諸機能を利用:資料を共有し、Formで課題に回答し、Documentで期末レポートを提出する。】
実務経験
備考

※助産学専攻科を希望する場合には、本科目の成績評価で「良(B)」以上の取得が必須となる。(2021年度入学生から)