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キリスト教と世界の文化
田村 亮子
大学名 清泉女学院大学
学部・学科 看護学科 共通教育科目
開講キャンバス 上野 授業形態 講義
履修区分 選択 単位数 2単位
配当年次 1年 開講期
授業の概要

本学の建学の精神であるキリスト教を通じて、世界の文化の成り立ちと流れを知ろう!現代社会の成り立ちの基礎の一翼を担う西欧文化を理解するためにはキリスト教が文化に与えた影響について学ぶことが欠かせない。キリスト教が世界へと広がる流れと共に、宗教の観点から見た「西・東欧史」を軸に、芸術(絵画、音楽)、映像を使いながら様々な文化を理解する。「日」曜日の名前の由来は?あの名画の裏にあるストーリーは?「目からウロコ」はどこから来た言葉?トランプの王様のモデルは?運動会の表彰式の音楽は何に由来している?日常生活において当然のこととして受けとめている様々な物事の奥に潜むキリスト教(と他の宗教)の驚くべきルーツに触れ、宗教と文化の関連の深さを理解することをめざす。

学習到着目標

この授業では、キリスト教の発生と広がりに伴って生み出された西欧文化の発展と世界の文化とのつながりを紀元前約2000年から概観し、現代文化におけるキリスト教文化の存在の謎を探り、現代人としての世界の文化の成り立ちについての基本的教養を培うことを目指す。また、有名な絵画、音楽等、芸術の背景を理解することができるようになることを目指す。7つの力の内、課題発見力と行動力を育む。

成績評価方法

毎回のTopic Paper(授業の感想と、授業に関連する項目一つのリサーチのまとめ) 100%、授業への参加意欲や姿勢・態度を重視する。

課題に対する
フィードバック方法

Topic Paperについてのコメント、質問への回答を授業の中で行う。

アクティブ
ラーニング要素
□外部連携の課題解決型学習(協定あり) □ディスカッション・ディベート □グループワーク □プレゼンテーション(発表) □実習・実技・実験 □フィールドワーク ■リアクションペーパー
授業計画
授業項目・内容 / 各回の準備学修(予習・復習)について / 担当
1 内容

Introduction:<アブラハムの旅はどこから始まったか>、ヘブライ民族の歴史の始まり(ヨセフ物語/『十戒』/『インディアナ・ジョーンズ』と契約の箱/ルツ物語/ダビデ王とソロモン王/エルサレムの神殿建設等)について学ぶ。

予復習

ヘブライ民族の歴史についてTopic Paper 1 を作成して提出する。

担当
2 内容

国際化を目指したキリスト教<パレスティナからローマへ>、キリスト教伝道の流れ(バビロン捕囚/『行け、黄金の翼に乗って』/ユダヤ教の成立/「過ぎ越し」の祭り等)について学ぶ。

予復習

キリスト教伝道の流れについてTopic Paper 2 を作成して提出する。

担当
3 内容

ローマ帝国とキリスト教<迫害を経て、小さな新興宗教からローマ帝国の国教へ>、キリスト教の発展の始まり(アレクサンダー大王/ヘレニズム文化/ローマの発展/ユダヤ人とローマ、嘆きの壁/『屋根の上のバイオリン弾き』『見よ、勇者は帰る』等)について学ぶ。

予復習

キリスト教とユダヤ教についてTopic Paper 3 を作成して提出する。

担当
4 内容

キリスト教のヨーロッパへの広がり<教会を中心に発達したヨーロッパ文化の様々>(皇帝コンスタンティヌス/クリスマスの制定/サンピエトロ大寺院/カタコンベ/教会建築/紀年法、西暦/グレゴリ聖歌等)について学ぶ。

予復習

キリスト教のヨーロッパへの広がりについてTopic Paper 4 を作成して提出する。

担当
5 内容

修道院という文化<家族を超えた新しい生き方の可能性の出現と研究機関>、西欧文化の知の流れ(異端の脅威/ギリシャ文化の助け/世界遺産カッパドキアの洞窟修道院群等)について学ぶ。

予復習

西欧文化の知の流れについてTopic Paper 5 を作成して提出する。

担当
6 内容

西方教会と東方教会<貧弱なローマ文化と華々しいビザンチン文化>、教会の分裂によって生まれた新たな文化(北方民族の南下/西ローマ帝国の滅亡/コンスタンチノープルとイコン/ハギアソフィア等)について学ぶ。

予復習

西方教会と東方教会についてTopic Paper 6 を作成して提出する。

担当
7 内容

イスラームとキリスト教<兄弟の宗教が、なぜ対立へ?>、ローマ帝国の衰退とイスラームの侵攻(イスラームの発生/中近東の宗教事情/スペインはキリスト教徒イスラームの混在文化/『アランブラ宮殿の思い出』等)について学ぶ。

予復習

イスラームとキリスト教についてTopic Paper 7 を作成して提出する。

担当
8 内容

カロリンガ朝ルネッサンス<カール大帝とローマ教皇のつばぜり合い>、宗教と世俗(神聖ローマ帝国の起源/教会文化の発達/ステンドグラスは貧者の聖書)の関係について学ぶ。

予復習

宗教と世俗についてTopic Paper 8 を作成して提出する。

担当
9 内容

アラビア科学に助けられた西欧文化<現代人は中近東に足を向けては寝られない>、自然科学の基盤となったアラビア文化の様々(アラビア数字、錬金術[化学の祖先]、医学、天文学、哲学等)について学ぶ。

予復習

アラビア科学についてTopic Paper 9 を作成して提出する。

担当
10 内容

十字軍からルネッサンスへ<ヨーロッパの文化交流>、ヨーロッパの民族の大移動と教会の財力が支えた芸術の発展(ダヴィンチ/ミケランジェロ/ラファエロ、『アテネの学堂』/近代音楽の発達:モーツアルト、バッハ、ヘンデル等)について学ぶ。

予復習

十字軍についてTopic Paper 10 を作成して提出する。

担当
11 内容

宗教改革の光と闇<ルターの宗教改革とカトリック宗教改革>、宗教と新国家独立戦争(聖書の現代語訳、カルバンと資本主義の勃興等)宗教と現代について学ぶ。

予復習

宗教改革についてTopic Paper 11 を作成して提出する。

担当
12 内容

自然科学と宗教<ニュートンがはいていた二足の草鞋>、自然科学の発達と信仰(自然科学と宗教はどのように共存し、互いに補完しあうのか等)について学ぶ。

予復習

自然科学と宗教についてTopic Paper 12 を作成して提出する。

担当
13 内容

アメリカ合衆国の建国とキリスト教<「金儲け」目当てと「宗教の自立」目当ての二種類のアメリカ大陸への移民>、南北アメリカ大陸への伝導(原住民族との軋轢/『グアダルペのマリア』/スペインとポルトガルと植民地と伝道師等)について学ぶ。

予復習

アメリカ大陸への移民についてTopic Paper 13 を作成して提出する。

担当
14 内容

日本への伝道<フランシスコザビエルから高山右近へ>、ヨーロッパの植民地政策と中近東に始まったキリスト教の世界への広がりと日本文化に息づくキリスト教文(茶道)について学ぶ。

予復習

世界への伝道についてTopic Paper 14 を作成して提出する。

担当
15 内容

まとめ<世界を宗教の観点から見るとどのようなことがわかってくるか>について復習する。

予復習

全授業の内容について復習し、Topic Paper 15 を作成して提出する。

担当
16 内容
予復習
担当
準備学修
(予習・復習)時間

「各回の準備学修」項目を確認し、講義・演習は4時間(実技・実習は2時間)程度の予習・復習を奨励する。

教科書

プリントを配布。

参考書・文献

J.M.ロバーツ『世界の歴史1~10」/ 『キリスト教2000年史』

履修条件

「キリスト教概論」を既に履修していることが望ましい。

ICT活用 ■自主学習支援【授業を通じて興味を持った項目についてのリサーチ方法について指導する。】
実務経験
備考

「現代教養」の基礎として、高校で世界史を履修していていない学生には特に強く履修を進める。