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文化共生論
田村 俊輔
大学名 清泉女学院大学
学部・学科 看護学科 共通教育科目、人間学部 共通教育科目
開講キャンバス 上野 授業形態 講義
履修区分 選択 単位数 2単位
配当年次 1年 開講期
授業の概要

「文化共生論」という科目名称から文化が異なれば価値観も異なり、お互いの利害が相反するといった多国・多文化間の関係を分析し理解することを思い浮かべるかもしれません。文化間の「違い」を前提にしたアプローチです。一方、共生は英語ではSymbiosisと綴ります。この語の語源を見ると、最初の部分はSynです。これは「共に」といった意味を持ったギリシャ語です。そして、後半はBioです。これは「生物」です。つまり、「違い」ではなく、この地球上にあるすべての生物の「つながり」に焦点を当てた言葉なのです。この科目を通じて、わたしたちは「つながり」を分野横断的に理解していきます。宗教的側面、哲学的側面、政治的側面、環境的側面、生物的側面からの統合的な世界・文化・人間理解を試みます。

学習到着目標

分野横断的アプローチはSyn「共に」に近づく有効な方法の一つです。この科目の到達目標は、時によっては互い相反しているように思われる複数の出来事を一つの「地球」の異なった方向から見える側面ととらえ、その背後にある「地球」を一つの「家」としてとらえる世界観を身に着けることです。「人と人」、「人と自然」、「国と国」が「共に生きる」方向性を探していきましょう。

成績評価方法

各回のリアクション記録30%、課題レポート30%、期末レポート40%

課題に対する
フィードバック方法

各講義の中で、前回のリアクション記録に対しフィードバックを行い、期末レポートについては、最終回に総評を行う。

アクティブ
ラーニング要素
□外部連携の課題解決型学習(協定あり) ■ディスカッション・ディベート □グループワーク ■プレゼンテーション(発表) □実習・実技・実験 ■フィールドワーク ■リアクションペーパー
授業計画
授業項目・内容 / 各回の準備学修(予習・復習)について / 担当
1 内容

序論としての「文化共生」という概念の理解

予復習

初回の授業で示した「文化共生」の考え方を自分自身の言葉でまとめる。

担当
2 内容

わたしたちの家(地球)を大切に1:地球の現状の概観をしながら現在私たちが置かれているの状況を理解する

予復習

配布資料を読み、「地球の現状」の理解をしたうえで、問題点を指摘する。

担当
3 内容

わたしたちの家(地球)を大切に2:現在、発展・開発と共生が私たちの周りでどのように起こっているかの批判的な理解する

予復習

配布資料を読み「科学と宗教」の接点を自分の言葉でまとめる。

担当
4 内容

わたしたちの家(地球)を大切に3:大きなコンテキストで神・地球・人間の間にある関連を理解する

予復習

課題1「現在の地球」に関して、これまでの授業と各自の調査をもとに問題を指摘する。

担当
5 内容

わたしたちの家(地球)の成り立ち1:生命誌という新たな視点から地球を一つの有機体としてみる可能性を探る

予復習

配布資料を読み「生命誌」に関して自分の言葉でまとめる。

担当
6 内容

わたしたちの家(地球)の成り立ち2:伝統的なユダヤ・キリスト教の考え方から見る人間観の理解をする

予復習

配布資料を読み聖書における人間観に関しての理解をする。

担当
7 内容

わたしたちの家(地球)の成り立ち3:系統発生と個体発生に見る地球の歴史の理解

予復習

配布資料を読み「生物としての人間」に関しての理解をする。

担当
8 内容

わたしたちの家(地球)におけるわたし1:文化の意味と人間の営み

予復習

配布資料を読み、「文化を持つ人間」の特徴をまとめる。

担当
9 内容

わたしたちの家(地球)におけるわたし2:人間が負っている責任

予復習

配布資料を読み、「文化を持つ人間」の責任をまとめる。

担当
10 内容

わたしたちの家(地球)におけるわたし3:国としての行動

予復習

課題2「人間と文化」に関して、これまでの授業を参考にして自分の言葉でまとめる。

担当
11 内容

社会とケアー1:女性とケアー

予復習

配布資料を読み、ケアーと倫理に関して自分自身の中に浮かんだ疑問をまとめておいてください。

担当
12 内容

社会とケアー2:医療とケアー

予復習

配布資料を読み、自分自身の立場(看護師、教師、心理師等)にとってのケアーをまとめてください。

担当
13 内容

社会とケアー3:世代間のケアー

予復習

配布資料を読み、「発達とケアー」に関して自分自身のできることを考えてきてください。

担当
14 内容

まとめ:「どんな地球を次世代に残したいか」1

予復習

これまでの配布資料を参考にして左記の討論の準備をしてください。

担当
15 内容

まとめ:「どんな地球を次世代に残したいか」2


授業のまとめとこれまでの課題に対する総評

予復習

これまでの配布資料を参考にして左記の討論の準備をしてください。

担当
16 内容

予備:この時間は予備の回とします。必要に応じて、事前に授業の有無を知らせます。

予復習
担当
準備学修
(予習・復習)時間

「各回の準備学修」項目を確認し、講義は2時間程度の予習・復習を奨励します。

予習として該当資料等を読み疑問や意見をまとめたのちに授業を聴いてください。

教科書

教皇フランシスコ「回勅ラウダート・シ」、中村桂子「いのち愛ずる生命誌」、三木成夫「内臓とこころ」等はお薦めの本です。授業中に随時読み物の紹介をします。

参考書・文献

参考文献表等を配布する

履修条件

特になし

ICT活用 ■双方向型授業【Google Classroomを使ったリアクションペーパーの提出と教員からのコメント】
■自主学習支援【Google Classroomを使っての資料配布】
■遠隔授業【ZOOMによる遠隔を含める場合がある】
実務経験
備考

興味深いテキストが多くありますので、適宜紹介します。すべてを読む必要はありませんが、お薦め図書です。