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聖書(不開講)
古橋 昌尚
大学名 清泉女学院大学
学部・学科 人間学部 共通教育科目
開講キャンバス 上野 授業形態 講義
履修区分 選択 単位数 2単位
配当年次 2年 開講期
授業の概要

共通教育課程の「教養」区分における選択科目として、人類が培ってきた文化、キリスト教の源でもある聖書の物語を広くよむことで、古代イスラエル社会の習慣、法、価値、人生観、神学を学び、人間と人間社会についての洞察を深める。聖書の物語群を読みながら、その時代の世界観、文化や習慣、神概念と人間観を学ぶ。天地の創造、アダムとエバ、カインとアベル、ノアの方舟、バベルの塔、アブラハムから始まるイスラエルの歴史、タマルとユダ、モーセとエジプト脱出、ダビデとバト=シェバ、ソロモン、ルツとナオミ、預言書、知恵文学、イエスの誕生、奇跡や癒しの物語、受難と復活などは、歴史、詩や歌、物語、祈り、預言、書簡、教訓、知恵など多様な文学形態をとって語られ。こうした旧約と新約の物語の読み方を学び、それぞれのメッセージを探るすべを身につける。

学習到着目標

ユダヤ=キリスト教世界の価値と世界観、当時の歴史的な政治社会情勢や習慣を理解することで、それぞれの物語を読み解くパターンとシンボリズムを学び、物語のメッセージに至りつく方法を身につける。小グループで話し合い、自分の意見を述べるすべを学ぶ。「身につける7つの力」では①課題発見力と、②論理的思考を伸ばす。 

成績評価方法

①授業の積極的参加(20%)、②毎週の課題・リフレクション(40%)、③期末試験(40%) 

課題に対する
フィードバック方法

毎週授業で次回の聖書箇所にまつわる設問を挙げたスタディ・ガイドを配布し、予めその設問に答えて授業に臨む。次週に返却してフィードバックする。履修者の疑問点や指摘などに応える形でフィードバックして授業に役立てる。

アクティブ
ラーニング要素
□外部連携の課題解決型学習(協定あり) ■ディスカッション・ディベート ■グループワーク □プレゼンテーション(発表) □実習・実技・実験 □フィールドワーク ■リアクションペーパー
授業計画
授業項目・内容 / 各回の準備学修(予習・復習)について / 担当
1 内容

ガイダンス――授業概要と聖書入門:

シラバスと授業計画表をもって、授業の概要について理解する。

聖書入門として、聖書の成り立ちと聖書編纂の歴史を学ぶ。

予復習

復習:シラバスと授業計画表を見直し、授業の手続きを確認して第2回目の授業に臨む。

予習:次回の指定箇所についての課題を提出する。 

担当
2 内容

天地の創造――神と被造物:

『創世記』は「原初史」のはじまり、「天地の創造」を読み、天地万物と人間の創造とその起源、神と人間とののかかわりの物語とそのメッセージについて学ぶ。

予復習

復習:創世記1:1~2:25「天地の創造」を読み、設問に答えて提出する。

予習:次回の指定箇所についての課題を提出する。

担当
3 内容

アダムとエバ――楽園からの追放:

「蛇の誘惑」を読み、神と人間、人間と蛇とのやり取り、人間の過ちと神の反応から、神のイメージを学び、物語のメッセージを理解する。

予復習

復習:創世記3章「蛇の誘惑」を読み、設問に答えて提出する。

予習:次回の指定箇所についての課題を提出する。

担当
4 内容

ノアの方舟――罪と回心・赦しと約束:

「洪水」の物語を読み、ノアの行動パターン、描かれる神の行動の特徴、鳩、オリーヴの葉、虹などのシンボリズムから物語のメッセージを学ぶ。

予復習

復習:創世記6~9章「洪水」の物語を読み、設問に答えて提出する。

予習:次回の指定箇所についての課題を提出する。

担当
5 内容

イスラエルの救いの物語:

イスラエルの苦難、モーセを通してのエジプト脱出、民族の解放と救いの箇所を読み、イスラエルの歴史について理解する。

予復習

復習:授業のリフレクションを提出する。

予習:出エジプト記1-20章(特に1-3章、1-15章、20章)を読み、イスラエル民族の苦難と解放の歴史を把握して授業に臨む。 

担当
6 内容

モーセととエジプト脱出: 

イスラエル民族の苦難、モーセの召命、エジプト脱出、十戒の物語をとおして、神の戒めとその歴史のメッセージについて学ぶ。

予復習

復習:出エジプト3:1-15、20:2-17を読み、設問に答えて提出する。

予習:次回の指定箇所についての課題を提出する。

担当
7 内容

タマルとユダ――救いの家系:

「ユダとタマル」の物語を読み、古代イスラエル社会における女性の地位、レビラート婚、法、規範を通して、そのメッセージを学ぶ。

予復習

復習:創世記38章「ユダとタマル」を読み、設問に答えて提出する。

予習:次回の指定箇所についての課題を提出する。

担当
8 内容

ダビデとバト=シェバ――過ちと神の選びと救い: 

ダビデ、バト・シェバ、ウリヤ、ヨアブの物語、ナタンの預言、羊飼いダビデとイスラエルの王ダビデの物語から、編纂者の関心を探る。

予復習

復習:サムエル記(下)11章~12章を読み、設問に答えて提出する。

予習:次回の指定箇所についての課題を提出する。

担当
9 内容

ルツとナオミ――異邦人の信仰、真心と落穂拾い:

ナオミとルツ、ルツとボアズの物語を読み、古代イスラエル社会の法習慣、社会福祉制度を学んだうえで、編纂者の意図を理解する。

予復習

復習:ルツ記1~4章を読み、設問に答えて提出する。

予習:次回の指定箇所についての課題を提出する。

担当
10 内容

詩編と知恵文学――旧約の人生:

詩編、箴言、コヘレト、雅歌、知恵の書の断片を読み、そこに表れる世界観、人生観、知恵文学を味わい、神学と人間論を学ぶ。 

予復習

復習:詩編、箴言、コヘレト、雅歌、知恵の書を読み、設問に答えて提出する。

予習:次回の指定箇所についての課題を提出する。

担当
11 内容

旧約と新約――モーセとイエス:

旧約の復習とまとめを行い、新約聖書の成り立ちを学ぶ。モーセとイエスの生い立ちを読みび比較することで、マタイ福音書が書かれた動機と方法、その背景を学ぶ。

予復習

復習:出エジプト1~2章、マタイ1:18~2:19を読み、設問に答えて提出する。

予習:次回の指定箇所についての課題を提出する。

担当
12 内容

マタイとルカ――系図の比較:

マタイ福音書とルカ福音書にある「イエスの系図」を比較して、そこから「時代の空気の中にあるもの」を探り、それぞれの福音記者が意図した共同体の正体をを学ぶ

予復習

復習:マタイ1: 1-17 ルカ3: 23-37を読み、設問に答えて提出する。

予習:次回の指定箇所についての課題を提出する。

担当
13 内容

イエスのたとえ話:

これが書かれた文脈と時代的背景を学び、たとえ話の対応関係について精査し、物語のメッセージを探るり編集者の意図を理解する。 

予復習

復習:マタイ20:1-16 「ぶどう園の労働者」を読み、設問に答えて提出する。

予習:次回の指定箇所についての課題を提出する。

担当
14 内容

受難と復活:

福音書の原点にして、福音書間で最も共通点が多く、記者たちがもっとも心を砕いて編集した箇所である「イエスの受難」、そしてその復活を読んで福音のメッセージを学ぶ。、

予復習

復習:マタイ26章~27章 、ルカ24章を読み、設問に答えて提出する。

予習:次回の指定箇所についての課題を提出する。

担当
15 内容

授業のまとめとふりかえり:

聖書テキスト(10回分)と旧約と新約の関係を学んだ箇所(2回分)のテキストとスタディガイドをもとに、授業全体のまとめとふりかえりをする。

予復習

復習・予習:学期を通してを読んできた聖書の箇所とスタディ・ガイドの設問をおさらいし、授業のまとめとふりかえりができるように準備をする。(準備学習時間4時間以上)

担当
16 内容

期末試験: 

授業のふりかえりとまとめとして、課題の問いに答える。

予復習

授業、予習復習を通して読み精査してきたテキストをもとに、自らテーマを設けそれにこたえる形で物語のメッセージを中心にまとめる。(準備学習時間4時間以上)

担当
準備学修
(予習・復習)時間

「各回の準備学修」項目を確認し、講義・演習は4時間(実技・実習は2時間)程度の予習・復習を奨励します。

教科書

『聖書(新約・旧約)』新共同訳 ハーフボリューム版 *授業では「新共同訳」使用する。他の聖書の使用も可能ですが、その際に相談してください。その他、資料を適宜配付する。

参考書・文献

聖書事典、コンコルダンス、関連図書が図書館に多数あり、授業でこれについて説明する。用語の下調べなどをする際には利用する。

履修条件

「キリスト教概論」を履修していれば役に立つ。

ICT活用 ■自主学習支援【Google Classroomの諸機能を利用。資料を共有し、Formで課題に回答し、Documentで期末レポートを提出する。】
実務経験
備考