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自己発見の方法
田村 亮子
大学名 清泉女学院大学
学部・学科 人間学部 共通教育科目
開講キャンバス 上野 授業形態 講義
履修区分 選択 単位数 2単位
配当年次 2年 開講期
授業の概要

「人生設計の基盤を作る」授業である。人は誰でも、自分の人生が幸福なものであってほしいと願っている。では、幸福な人生とはそもそもどのようなものだろうか?幸福な人生を考える際に、何を基準に人生設計しようとしているだろうか?幸福な人生の基準のひとつは、その人生が、高度に特殊な精神を持つ人間の特徴と、そのような精神を持つ個々の人間が他者、歴史と世界の流れとどのように関わっているかを理解に基づいていることである。このクラスはBernard Lonerganの認識理論(知性の仕組みについての理解)を基に、自分という人間の現在のありさまをいくつもの観点から観察する。そして「現在という時空の一点において、自然と共に人間社会の中で生きるためには、何について、どのように考えなければならないのか、どのように行動を選択し、行動すべきか」について理解し、よりよい人生設計と社会参加ができるようになること目指す。「人間学(田村担当)」の発展編。〇この授業は、教室では行わず、録画された授業を、On-Demandで、受講者の都合の良い時間にパソコン等で視聴することで受講する。

学習到着目標

特殊で高度な人間の精神の「理解する」という行為の性質を理解することで、自分という人間の精神の基礎、人間の行為の特殊性、人間文化の成り立ちの全体構造を俯瞰し、教育問題をはじめとして、人間文化の諸問題について、どのような新しい理解が可能になるかを探る。どのような状況に置かれても、その状況を切り開いて前進することができる知性の基礎を構築することを目指す。7つの力の内、課題発見力と論理的思考を育む。

成績評価方法

授業ごとのTopic Paperの提出(100%) 授業への参加意欲や姿勢・態度を重視しする。

課題に対する
フィードバック方法

提出されるTopic Paperには、毎回成績を付けて返却し、質問については、授業で解説を行う。

アクティブ
ラーニング要素
□外部連携の課題解決型学習(協定あり) □ディスカッション・ディベート □グループワーク □プレゼンテーション(発表) □実習・実技・実験 □フィールドワーク ■リアクションペーパー
授業計画
授業項目・内容 / 各回の準備学修(予習・復習)について / 担当
1 内容

Introduction、人間が「人間として」生きるとはどのようなことか?事実の認識:なぜ、質問は発生するのか、について学ぶ。

予復習

人間の認識構造を理解するための問題を行い、Topic Paper 1を提出する。

担当
2 内容

質問とひらめき(理解):人間の知性は、いつ動き出すのか?知性は何を求めて、ひらめきを起こすのか、について学ぶ。

予復習

人間の認識構造を理解するための問題を行い、Topic Paper 2を提出する。

担当
3 内容

暗記と理解記憶:理解を伴わない暗記はなぜ苦痛か?暗記から理解記憶への知性の発達はどのように起こるのか、について学ぶ。

予復習

「鎖につながれた像」を読み、を読み、授業の内容と関連させてTopic Paper3を書き、提出する。

担当
4 内容

理解と理解の正誤判断:なぜ偽のひらめきが混じるのか?どうやって、偽物のひらめきを見つけるのか、について学ぶ。

予復習

理解と理解の正誤判断について考え、Topic Paper4を書き、提出する。

担当
5 内容

ひらめきを起こす様々な助け。ひらめきが発生する基本要件としてのイメージの働きとはどのようなものか、について学ぶ。

予復習

小河勝「未来を切り開く学力」他を読み、授業の内容と関連させてTopic Paper 5を書き、提出する。

担当
6 内容

信用の構造:なぜ、他者から借りる知識が必要なのか?自前の知識と借りる知識はどのようにつながるのか、について学ぶ。

予復習

アルベルト湯川「野口氏の『数学の超勉強法』批判」向山洋一「台形の面積」を読み、を読み、授業の内容と関連させてTopic Paper6を書き、提出する。

担当
7 内容

知性の働きの発達を助ける教育の役割とはどのようなものか?教育がゆがむとき何が起こるのか、について学ぶ。

予復習

竹内薫『99.9%は仮説』を読み、を読み、授業の内容と関連させてTopic Paper7を書き、提出する。

担当
8 内容

描写的知識と説明的知識:質問の発達と「なぜ」という質問が開く新しい精神世界とはどのようなものか、について学ぶ。

予復習

夏井睦『キズ・ヤケドは消毒してはいけない』『キズは絶対消毒するな』を読み、を読み、授業の内容と関連させてTopic Paper 8を書き、提出する。

担当
9 内容

帰納法と演繹法/パラダイムチェンジ:常識はどのように変化していくのか?自分はどのような常識に縛られているのか、について学ぶ。

予復習

筑紫哲也「指示待ち人間の横行」頼藤和寛『誰かがどうにか症候群』を読み、を読み、授業の内容と関連させてTopic Paper 9を書き、提出する。

担当
10 内容

仮説から事実へ/客観性とは何か?どのようにして客観的知識に達することができるのか?事実認識から行為の認識へ、について学ぶ。

予復習

シーナ・アイエンガー『選択の科学』を読み、授業の内容と関連させてTopic Paper 10を書き、提出する。

担当
11 内容

価値の知識、善の定義:どのような行為を選べばよいのか。行為の選択の基準とは何か?善と悪の関係性、について学ぶ。

予復習

マイケル・サンデル『それをお金で買いますか』を読み、授業の内容と関連させてTopic Paper 11を書き、提出する。

担当
12 内容

自然事物と人間事物/仕組みの善:人間の生み出すものはすべて善いものか?人間の成り立ちと世界の成り立ちの関係、について学ぶ。

予復習

アンデルセン『皇帝の新しい服』森岡正博『宗教なき時代を生きるために』小池龍之介『考えない練習』を読み、授業の内容と関連させてTopic Paper 12を書き、提出する。

担当
13 内容

洞察逃避:問題に立ち向かい、理解しようとすることから逃避する動きはなぜ起こるのか。洞察逃避が起こす問題、について学ぶ。

予復習

渡辺奈々編著『チェンジメーカー』を読み、授業の内容と関連させてTopic Paper 13を書き、提出する。

担当
14 内容

どうしたら、洞察逃避から解放されることができるのか?幸福とは何か?二種類の幸福と人間が存在する意味とは何か、について学ぶ。

予復習

渡辺和子『置かれたところで咲きなさい』山本周五郎「風鈴」V.フランクル「それでも人生にイエスと言う」を読み、授業の内容と関連させてTopic Paper 14を書き、提出する。

担当
15 内容

究極の質問と幸福:人間は究極的に何を求めて生きるのか?幸福な人生とはどのようなものか、について学ぶ。

予復習

授業の内容と関連させてTopic Paper 15を書き、提出する。(準備学習4時間以上)

担当
16 内容
予復習
担当
準備学修
(予習・復習)時間

「各回の準備学修」項目を確認し、講義・演習は4時間(実技・実習は2時間)程度の予習・復習を奨励する。

Topic Paper を作成するために、毎週、3~4時間の学習をすすめる。

教科書

プリントを配布

参考書・文献

Bernard J. F. Lonergan『Insight』University of Toronto Press

履修条件

課題文献を読み、考える時間を必要とするので、Topic Paperのために、毎週最低2~4時間を確保すること。

ICT活用 ■自主学習支援【eChes上とGoogle Classroomに課題を提出し】
■遠隔授業【コンソーシアム信州のe-learningシステムを使用して、教材、課題提出を行う。】
実務経験
備考