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心理的アセスメントⅠ
山崎 晃史・生井 裕子
大学名 清泉女学院大学
学部・学科 心理コミュニケーション学科 専門教育科目
開講キャンバス 上野 授業形態 演習
履修区分 選択 単位数 2単位
配当年次 3年 開講期
授業の概要

心理的アセスメントに求められる基本的概念と心理テストの実施手法を演習によって学ぶ。本授業では特に、知的認知的側面の心理的アセスメントで用いられる知能検査、発達検査、作業検査、認知機能検査について、その特徴や実施方法を把握する。また、心理的アセスメントを行う上での倫理的な配慮を理解する。

学習到着目標

心理的アセスメントの意義と実施方法について体験的に理解する。発達検査やWISC-Ⅳ知能検査、内田クレペリン検査、長谷川式簡易知能スケールの概要を学び、アセスメントを実施し報告する手順を理解する。これらにより論理的思考や他者尊重の姿勢を身につける。

成績評価方法

心理テストの実施方法を扱う演習であるため、レポート提出は必須となる。各レポートの評価は各心理的アセスメントの実施とそのレポートを評価し、以下の比率で成績に反映させる。アセスメントと心理テストの関係をレポート15%、S-M社会生活能力検査15%、WISCⅣ30%、内田クレペリン15%、簡易認知機能検査15%、授業関与他10%

課題に対する
フィードバック方法

心理テストの実習をする際には担当教員2名が個別に助言する。

アクティブ
ラーニング要素
□外部連携の課題解決型学習(協定あり) □ディスカッション・ディベート ■グループワーク □プレゼンテーション(発表) ■実習・実技・実験 □フィールドワーク □リアクションペーパー
授業計画
授業項目・内容 / 各回の準備学修(予習・復習)について / 担当
1 内容

ガイダンス:心理的アセスメントⅠの扱う範囲と到達目標について理解する。

予復習

復習:今回の授業内容を振り返る

担当

山崎、生井

2 内容

心理的アセスメントについて:行動観察、面接を含めた知能検査、発達検査、性格検査というアセスメントの種類の全体像と、倫理面を含めた実施の手続きを理解する。

予復習

予習:指定された資料を読み込む

復習:今回の授業内容を振り返る

担当

山崎、生井

3 内容

知的発達症のアセスメントについて:知的発達症(知的障害)については、適応スキルの客観的評価が必要であることについて理解する。S-M社会生活能力検査第3版を理解の手がかりとする。

予復習

予習:指定された資料を読み込む

復習:今回の授業内容を振り返る

担当

山崎、生井

4 内容

発達検査について:ゲゼルの発達診断から展開した発達検査の特徴を理解する。遠城寺式乳幼児分析的発達検査法やK式発達検査を手がかりとして学ぶ。

予復習

予習:指定された資料を読み込む

復習:今回の授業内容を振り返る

担当

山崎、生井

5 内容

知能検査について:ビネーが知能測定尺度を開発した背景および、その後の知能検査の歴史を理解する。知能とは何かについても理解する。田中ビネー式知能検査の道具に触れる。

予復習

予習:指定された資料を読み込む

復習:次回までの間に、WISC-Ⅳの検査キットの確認をする

担当

山崎、生井

6 内容

WISC-Ⅳ①:WISC-Ⅳの概要を学び、マニュアルに沿って実施方法を把握する。今回の授業でマニュアルの重要部分を指摘し、次の授業までに予習を通して、実施方法の概要を身に付ける。最新版のWISC-Vにも触れる。

予復習

復習:次回までの間に、WISC-Ⅳの実施マニュアルを熟読する(準備学習時間4時間以上)

担当

山崎、生井

7 内容

WISC-Ⅳ②:実施において重要な点をレビューし、グループ内でテストの練習を行う。3~4名のグループ内で、被検者と実施者の両方を体験する。WISC実施には慣れが必要なので、空き時間に練習しすること。

予復習

復習:WISC-Ⅳの実施においてカギとなるいくつかの概念の予習及び復習をして、実施に備える。これ以降は検査キットは各グループが保管し、適宜練習を行う

担当

山崎、生井

8 内容

WISC-Ⅳ③:前回に引き続きWISCの実施の演習を行う。今回で、すべての下位検査の実施を行う。

予復習

復習:心理検査の前提となる、統計上の概念等の復習をしておく。授業外でWISC-Ⅳ実施の練習を繰り返す(準備学習時間4時間以上)

担当

山崎、生井

9 内容

WISC-Ⅳ④:この時間から2週間のうちに被験者役を相手にロールプレイ方式で通しで実施する。

予復習

授業外でWISC-Ⅳ実施の練習を繰り返す(準備学習時間4時間以上)

担当

山崎、生井

10 内容

WISC-Ⅳ⑤:WISC-Ⅳの採点方法を学びながら、その結果の解釈と臨床現場での応用方法を学ぶ。

予復習

被検者に対する検査の実施を行い、検査結果を整理し、不備がないかを確認しておく

担当

山崎、生井

11 内容

WISC-Ⅳ⑥:各自が実施したWISC-Ⅳの結果を採点し解釈し、報告書の書き方を学ぶ。この時間は個別の指導を受ける。

予復習

WISC-Ⅳ実施の報告レポートを作成する。各自が実施したテスト結果を吟味して、不明な点があったら質問できるようにしておく

担当

山崎、生井

12 内容

内田クレペリン性格検査①:内田クレペリンの実施方法と特徴を学び、検査を体験する。

予復習

予習:内田クレペリン実施マニュアルを熟読する。授業中に各自を被検者としてクレペリンの実施を行うので、あらかじめ実施方法を予習しておく

担当

山崎、生井

13 内容

内田クレペリン性格検査②:内田クレペリンの採点と結果解釈の仕方を学ぶ。この時間に、報告レポートの書き方に関する注意事項を学ぶ

予復習

予習:内田クレペリンの採点及び解釈方法を予習する

担当

山崎、生井

14 内容

簡易認知機能検査①:認知症の症状の特徴を理解したうえで、認知機能の評価の必要性を学ぶ。そのうえで、長谷川式簡易知能スケールの実施方法を理解する。

予復習

予習:認知症に関する資料で予習をしておく

担当

山崎、生井

15 内容

簡易認知機能検査②:受講者は被検者と実施者の両方を体験する。この演習で得た結果をもとに報告書を作成する。

予復習

予習:この回までに、長谷川式簡易知能スケールを実施しておく。受講者同士で検査者と被検者になり実施する

担当

山崎、生井

16 内容
予復習
担当
準備学修
(予習・復習)時間

「各回の準備学修」項目を確認し、講義・演習は4時間(実技・実習は2時間)程度の予習・復習を奨励します。

教科書

図書館内に貸出禁止の図書としてマニュアルを用意する

参考書・文献

高瀬由嗣ほか(著)『心理アセスメントの理論と実践』(岩崎学術出版社、2020年)

履修条件

統計の基礎的知識があれば理解しやすくなるため、心理統計法を履修しておくことを推奨する

ICT活用 ■自主学習支援【Google Classroomに資料を掲載する】
実務経験 ■実務経験の内容【福祉領域および医療領域における心理支援(30年)(山崎)・教育領域における心理支援(13年)(生井)】
■所持している業務関連資格【公認心理師、臨床心理士、精神保健福祉士(山崎)・公認心理師、臨床心理士(生井)】
備考

この授業は、授業時間に実習を行うので欠席をすると進行が滞ることになる。予め、この授業形態を理解したうえで履修すること。止むを得ず欠席をする場合は、必ず情報収集して追いつかせること。準備学習時間4時間以上必要な場合がある。