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社会・集団・家族心理学Ⅰ(社会・集団心理学)
田戸岡 好香
大学名 清泉女学院大学
学部・学科 心理コミュニケーション学科 専門教育科目
開講キャンバス 上野 授業形態 講義
履修区分 選択 単位数 2単位
配当年次 2年 開講期
授業の概要

人の行動は,私たちが考えている以上に周囲の影響をうけながら決定されている。心理学の研究分野の中でも特に人の行動に影響を及ぼす要因に着目したのが社会心理学である。この授業では,社会心理学の代表的理論について概観し,社会心理学の考え方やその内容について理解することを目的とする。

授業の前半では,社会行動の基本となる個人内過程に焦点をあてる。

後半では,より広範な社会行動について、古典的な実験から最新の知見までを幅広く紹介していく。

また,理解を促すため,映像を用いたり,授業時に簡単な心理学調査や実験を実施し,社会心理学を体験する時間を設ける。

学習到着目標

社会心理学の基本的な研究知見を概観し,人の社会的行動の本質を理解することを目的とする。そのことを通して,他者や集団とのかかわりの中で人がどのように考え,行動するかを考える力をつけることを目標とする。また,授業期間中に心理学実験・調査を受けることで,社会心理学の知見がどのように生成されるかを体験的に理解を深める。学修を通して,課題発見力,論理的思考を身につけることを目標とする。

成績評価方法

定期試験(60%),小レポート(10%),および平常点(30%)の得点をもとに総合評価を行う。

課題に対する
フィードバック方法

授業内課題についてはGoogle classroomおよび授業時に概況としてコメントを返す。試験についてはとりまとめ後に解説の資料を配布する。

アクティブ
ラーニング要素
□外部連携の課題解決型学習(協定あり) □ディスカッション・ディベート □グループワーク □プレゼンテーション(発表) □実習・実技・実験 □フィールドワーク ■リアクションペーパー
授業計画
授業項目・内容 / 各回の準備学修(予習・復習)について / 担当
1 内容

オリエンテーション:社会心理学の視点と位置付け

授業の進め方を確認するとともに,社会心理学の位置づけについて学ぶ。

予復習

予習:シラバス内容を熟読しておくこと.

授業に関するアンケートへの回答

担当
2 内容

『自分』はどこからやってくるのか:自己概念の形成

自己がどんな人物か捉えるには,他者の存在を含む社会的状況が必要であることを理解する。

予復習

第2回(自己概念)に関する用語と知見の確認(formを用いた小課題)

担当
3 内容

自分をどのように見せるか:自己開示と自己呈示

自己をどのように人に見せるか,自分のことを他者に伝えることにはどのような効果があるのかを知る。

予復習

第3回(自己開示・自己呈示)に関する用語と知見の確認(formを用いた小課題)

担当
4 内容

どうやったら目標に向かって進めるか:自己コントロール 

人が目標に向かうときになぜ失敗してしまうのか,どうすれば自分をコントロールして目標達成できるのかを考える。

予復習

第4回(自己コントロール)に関する用語と知見の確認(formを用いた小課題)

担当
5 内容

ネガティブな気持ちを力に変える①:妬みと悲観主義

妬みや悲観主義といったネガティブな気持ちがなぜ生じるのか,その影響について理解する。

予復習

第5回(自己と社会的比較)に関する用語と知見の確認(formを用いた小課題)

担当
6 内容

ネガティブな気持ちを力に変える②:ストレス

ストレスが生じるメカニズムやその影響を知り,どのように付き合っていくかを考える。

予復習

第6回(ストレス)に関する用語と知見の確認(formを用いた小課題)

担当
7 内容

第一印象はどう決まるのか:対人認知

人が他者を認知したときの印象がどのように決まるのか,および印象形成に影響を及ぼす要因を理解する。

予復習

第7回(対人認知)に関する用語と知見の確認(formを用いた小課題)

担当
8 内容

自分の考えをどのように伝えるか:説得・コミュニケーション 

人と人とがコミュニケーションするということについて,とくに説得的コミュニケーションを中心にして学ぶ。

予復習

第8回(説得的コミュニケーション)に関する用語と知見の確認(formを用いた小課題)

担当
9 内容

みんながいるから頑張れる!?:社会的影響

他者の存在により自分が受ける影響と,自分の存在が他者に及ぼす影響について学ぶ。

予復習

第9回(社会的影響)に関する用語と知見の確認(formを用いた小課題)

担当
10 内容

集団の中の個人:同調と服従 

集団でいる時に私たちがどのような行動を取りやすいのかを考える。

予復習

第10回(同調・服従)に関する用語と知見の確認(formを用いた小課題)

担当
11 内容

人はどうして傷つけあうのか:攻撃と援助 

人が人を攻撃したり援助したりする行動を規定する要因について,主に社会的状況の観点から学ぶ。

予復習

第11回(攻撃・援助)に関する用語と知見の確認(formを用いた小課題)

担当
12 内容

仲間はずれになったとき:受容と排斥

集団に所属することがどのような機能を持つのかを学び,集団からの排斥が心身に及ぼす影響を理解する。

予復習

第12回(社会的排斥)に関する用語と知見の確認(formを用いた小課題)

担当
13 内容

私たちは共生社会をつくれるのか①:ステレオタイプ・偏見

集団間偏見や差別が生じるメカニズムを学び,どのような状況において偏見や集団間葛藤が生じやすいか考える。

予復習

第13回(集団関係と偏見)に関する用語と知見の確認(formを用いた小課題)

担当
14 内容

私たちは共生社会をつくれるのか②:偏見低減の心理学 

偏見のメカニズムに基づいて,どのようにすれば偏見を低減することができるかを考える。

予復習

第14回(ステレオタイプ・偏見)に関する用語と知見の確認(formを用いた小課題)

担当
15 内容

集合現象の不思議:流言・マスメディア 

流言の発生過程と伝わり方について学び,マスメディアの機能について考える。

予復習

第15回(流言・メディア)に関する用語と知見の確認(formを用いた小課題)

担当
16 内容

まとめとふりかえり

期末の学修まとめとして期末試験を行う.

予復習

予習:試験のため,これまでの授業資料を振り返る

復習:試験でできなかった内容の復習

担当
準備学修
(予習・復習)時間

「各回の準備学修」項目を確認し、講義・演習は4時間(実技・実習は2時間)程度の予習・復習を奨励します。

毎回授業課題があるため,そのための学修時間が必要になります。

教科書

教科書の指定はなく、毎回資料を配布する。

参考書・文献

「自ら挑戦する社会心理学」 土肥伊都子(編) 保育出版社.

「社会心理学概論」 北村英哉・内田由紀子(編) 有斐閣.

履修条件

社会心理学を初めて学ぶ人向けの内容にする予定。

この授業はオンデマンド配信で行われる。履修を希望する学生は初回のオリエンテーションの動画を閲覧すること。

ICT活用 ■自主学習支援【Google classroomを通して資料および課題を配布する。】
■遠隔授業【本授業はオンデマンド配信で行う。】
実務経験
備考

受講の仕方について,初回のオリエンテーションで詳細を説明するので,必ず第1回目の動画を閲覧すること。