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神経・生理心理学
寺門 正顕
大学名 清泉女学院大学
学部・学科 心理コミュニケーション学科 専門教育科目
開講キャンバス 上野 授業形態 講義
履修区分 選択 単位数 2単位
配当年次 2年 開講期
授業の概要

私たちの「からだ」の働きは、「こころ」の働きと相互に密接な関係にある。この「こころ」と「からだ」の相互作用にアプローチするのが神経・生理心理学であるが、その測定法や分析法は多岐に渡り、新たな測定・分析手法が開発されている。本講義では、こころの働きのベースとなる脳に対する理解を深め、神経・生理心理学領域のトピックを概観するとともに、諸領域で用いられる生理心理学的測定のデモンストレーションを交えながら、さまざまな測定手法やデータ解析手法と、それらから得られる知見について学習する。

学習到着目標

1.次の2項目について理解し説明できるようになる。心と脳の構造・機能の関係について。生理心理学的指標の計測について。

2.日常生活での心の働きを心と脳・身体の関係から捉え(課題発見力)、その関係から論理的な対処を考えることができる(論理的思考)ことを目指す。

成績評価方法

毎回の小テスト・リアクションペーパー(30%)、レポート(20%)、試験の結果(50%)から総合的に評価する。

課題に対する
フィードバック方法

毎回の小テスト結果は、自己採点できるように正答を配布する。

授業数回分の内容を1枚のレポート用紙にまとめる復習課題を課す予定で、内容を確認後に返却する。

アクティブ
ラーニング要素
□外部連携の課題解決型学習(協定あり) □ディスカッション・ディベート □グループワーク □プレゼンテーション(発表) ■実習・実技・実験 □フィールドワーク ■リアクションペーパー
授業計画
授業項目・内容 / 各回の準備学修(予習・復習)について / 担当
1 内容

神経・生理心理学とは

精神生理学と生理学的心理学、神経心理学

予復習

第1回本講義で扱う諸概念についての振り返りと小テストの実施

担当
2 内容

神経系の基礎

ニューロン・シナプスの構造、神経伝達物質

予復習

第2回神経系の基礎、ニューロンの構造、神経伝達物質についての振り返りと小テストの実施

担当
3 内容

中枢神経系1:脳幹脊髄系

脳神経系の解剖、脊髄、小脳、脳幹網様体

予復習

第3回脳幹、脊髄、小脳、脳幹網様体についての振り返りと小テストの実施

担当
4 内容

中枢神経系2:大脳辺縁系

大脳辺縁系の役割、記憶と感情、動機づけ

予復習

第4回大脳辺縁系の役割、扁桃体と感情、海馬と記憶についての振り返りと小テストの実施

担当
5 内容

中枢神経系3:大脳皮質と機能局在

大脳皮質の構造、脳地図と機能局在

予復習

第5回大脳皮質の構造、脳地図、機能局在と大脳半球非対称性についての振り返りと小テストの実施

担当
6 内容

中枢神経系4:感覚・知覚系

視覚系、聴覚系、体性感覚系

予復習

第2回から第6回までの講義内容をレポートにまとめて期限までに提出する

担当
7 内容

脳と発達:神経の可塑性と環境の影響

脳の発達的変化、神経の可塑性と環境の影響

予復習

第7回脳の発達的変化、神経の可塑性、環境からの要因についての振り返りと小テストの実施

担当
8 内容

高次脳機能障害

高次脳機能障害(失語、失行、失認、記憶障害)、精神疾患と脳神経系

予復習

第8回さまざまな高次脳機能障害についての振り返りと小テストの実施

担当
9 内容

脳と睡眠

睡眠の生理的基礎、睡眠リズム、睡眠と脳活動、睡眠障害

予復習

第9回睡眠の生理的基礎、睡眠リズム、睡眠障害についての振り返りと小テストの実施

担当
10 内容

脳神経系機能の測定1:脳波

脳波の特徴、測定方法の実際

予復習

脳波記録の整理に関する課題を行ない期限までに提出する

担当
11 内容

脳神経系機能の測定2:誘発電位と事象関連電位

誘発電位、事象関連電位の測定の実際

予復習

第11回誘発電位の測定方法、事象関連電位(P300)の実際の計測についての振り返りと小テストの実施

担当
12 内容

自律神経系指標の測定:心臓血管系の活動

心臓活動の測定、呼吸と心拍変動の関連

予復習

心拍変動と呼吸との関連(呼吸性不整脈)に関する課題を行ない期限までに提出する

担当
13 内容

犯罪心理学と生理心理学:ポリグラフ検査

ポリグラフ検査の原理とその実際、測定実習

予復習

ポリグラフ検査に関するグループワークについて各自で振り返り

担当
14 内容

ストレスの生理心理学

ストレス反応と心理生理的反応との関連、自律神経系と視床下部・脳下垂体とホルモン分泌、ストレス・マネジメント、リラクセーション

予復習

第14回ストレスのメカニズムと心理生理的反応、その脳内機序、自律神経系とホルモン分泌等についての振り返りと小テストの実施

担当
15 内容

薬物の生理心理学

神経伝達物質と薬物、薬物依存の問題

予復習

第15回神経伝達物質、薬物依存等についての振り返りと小テストの実施

担当
16 内容

期末試験

予復習
担当
準備学修
(予習・復習)時間

「各回の準備学修」項目を確認し、講義・演習は4時間(実技・実習は2時間)程度の予習・復習を奨励します。

教科書

プリントを配付する。

参考書・文献

授業内で随時紹介する。

履修条件

「こころ」と「からだ」の関連について興味を持ち、授業へ真面目に取り組むこと。

ICT活用
実務経験 ■実務経験の内容【聖マリアンナ医科大学神経精神科学教室 研究員(1995〜1996)】
備考

隔年開講(2021年度開講)