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特別支援の心理学(障害者・障害児心理学)
山崎 晃史
大学名 清泉女学院大学
学部・学科 心理コミュニケーション学科 専門教育科目
開講キャンバス 上野 授業形態 講義
履修区分 選択 単位数 2単位
配当年次 3年 開講期
授業の概要

知的障害、発達障害(特に、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、限局性学習症)を中心とした障害についての基本的知識を身につけ、支援の実際を学ぶ。さらにインクルーシブな支援と教育のありかたを理解する。また、市民、友人、家族、支援者、職場の同僚などいかなる立場にあっても、必要に応じていつでもコミットしうる素地を養う。 近年問い直されている障害の捉え方、支援のあり方について理解を深める。

学習到着目標

・障害をもつ子どもや人の困りごとの実際が想定できる(他者尊重)。

・特別な支援を必要とする方への合理的配慮の重要さを理解し、柔軟な対応に向けて行動できる(行動力)。

・障害は個人の問題ではなく、社会的課題や人間関係の中に生じる課題であることが分かり、そのことを発信できる(発信力)。

成績評価方法

リアクションペーパー(30%)、中間課題(30%)、期末試験(40%)

課題に対する
フィードバック方法

中間課題については授業内で講評を行う。リアクションペーパーについては授業内で適宜コメントする。

アクティブ
ラーニング要素
□外部連携の課題解決型学習(協定あり) □ディスカッション・ディベート □グループワーク □プレゼンテーション(発表) □実習・実技・実験 □フィールドワーク ■リアクションペーパー
授業計画
授業項目・内容 / 各回の準備学修(予習・復習)について / 担当
1 内容

ガイダンス

本授業の概要および到達目標を理解する。障害とは何かについて、近年の障害の捉え方の変化をふまえて理解する。

予復習

復習:ガイダンスの内容を踏まえ、この授業を通じてどんなことを学びたいか、各自の関心をリアクションペーパーにまとめ、提出する

担当
2 内容

発達障害とは

エピソードを通じて発達障害の具体的な姿を把握する。発達障害を理解する前提となる知識を整理する。そのうえで発達障害の範囲と定義を理解する。

予復習

予習:ノーマライゼーションの概念を調べておく(教科書)

復習:授業後に出される小課題をリアクションペーパーにまとめ、授業内容を振り返る

担当
3 内容

知的発達症

知的障害とも言われる知的発達症の診断基準を理解する。その基準となる知能と適応技能について学び、その評価方法について把握する。

予復習

復習:授業後に出される小課題をリアクションペーパーにまとめ、授業内容を振り返る

担当
4 内容

自閉スペクトラム症1

知的発達症を伴う自閉症について理解する。診断のもととなる行動面の特徴を把握し、その実際を啓発ビデオで確認する。

予復習

復習:授業後に出される小課題をリアクションペーパーにまとめ、授業内容を振り返る

担当
5 内容

自閉スペクトラム症2

知的発達症を伴わない自閉症(アスペルガー障害)を理解する。診断のもととなる行動面の特徴を把握し、本人や家族がどのような面で困りごとを抱えているかを、実際の事例を通じて理解する。

予復習

復習:授業後に出される小課題をリアクションペーパーにまとめ、授業内容を振り返る

担当
6 内容

注意欠如・多動症と限局性学習症

ADHDやLDと言われている障害について、診断基準を理解する。そのうえで、抱えやすい困りごとや学びのしづらさの様相を事例を通じて理解する。

予復習

復習:授業後に出される小課題をリアクションペーパーにまとめ、授業内容を振り返る。

担当
7 内容

脳機能障害説を読み解く

発達障害の原因をめぐる議論を理解する。発達障害は脳機能障害だとされているが、それはどのような仮説なのかを理解する。分かっていることと、分かっていないことを把握する。

予復習

予習:発達障害の原因をめぐる考え方を調べておく(教科書)

復習:授業後に出される小課題をリアクションペーパーにまとめ、授業内容を振り返る

担当
8 内容

発達障害の方の育ちと生活の実際

地域で働き生活している自閉スペクトラム症の方を取材した番組ビデオを視聴して、発達障害の方が充実した人生を送っている様子に触れる。乳幼児期からの育ちの過程についても触れる。

予復習

中間課題:番組ビデオの内容から育ちや地域生活に必要な条件を考察する。

担当
9 内容

乳幼児期の支援(子育て支援との融合)

発達障害あるいはその疑いがある幼児への支援がどのように行われているかについて理解する。障害幼児に特化しない、子育て支援と融合したバリアフリーな支援の必要性を学ぶ。

予復習

復習:授業後に出される小課題をリアクションペーパーにまとめ、授業内容を振り返る。

担当
10 内容

発達支援のさまざまな方法

発達支援(いわゆる療育)の諸方法について概観する。また発達促進の発想に過度に偏らない、通常の環境で障害の有無にかかわらず育ち合うことの必要性を学ぶ。

予復習

復習:授業後に出される小課題をリアクションペーパーにまとめ、授業内容を振り返る。

担当
11 内容

学童期の支援(インクルーシブ教育)

インクルーシブ教育とは何かについて理解する。特別なニーズに対応するための学校内外のしくみや資源を学ぶ。

予復習

復習:授業後に出される小課題をリアクションペーパーにまとめ、授業内容を振り返る

担当
12 内容

青年期以降の支援1(相談支援と権利擁護)

学校卒業後の支援のしくみを理解する。障害福祉の核となる相談支援のサービスと権利擁護のしくみを学ぶ。

予復習

復習:授業後に出される小課題をリアクションペーパーにまとめ、授業内容を振り返る

担当
13 内容

青年期以降の支援2(生活支援と就労支援)および全体総括

日常の生活や活動を支えるさまざまなサービスと就労支援のすがたを理解する。総括としてインクルーシブな社会のあり方を再考する。

予復習

復習:授業後に出される小課題をリアクションペーパーにまとめ、授業内容を振り返る

担当
14 内容

家族が語る育ちと生活のリアリティ

障害のある方の家族の体験談を聞き、育ちの中での課題、家族とご本人の困りごとと喜び、現在の生活などを伺い、メッセージを受け取る。(ゲストスピーカーによる収録動画の予定)

予復習

復習:ゲストのメッセージに対してリアクションペーパーにコメントを書いて応答する

担当
15 内容

期末試験

予復習

試験のための総復習

担当
16 内容

試験返却と解説

期末試験の解説を行う

予復習
担当
準備学修
(予習・復習)時間

「各回の準備学修」項目を確認し、講義・演習は4時間(実技・実習は2時間)程度の予習・復習を奨励します。

教科書

山崎晃史(編)『公認心理師・臨床心理士のための発達障害論』(学苑社、2019年)3,080円

参考書・文献

授業内で適宜紹介します。

履修条件

特になし

ICT活用 ■自主学習支援【視聴覚教材を多く取り入れる。資料は学内サイトに掲載する。】
実務経験 ■実務経験の内容【福祉領域における心理支援(30年)、医療領域における心理支援(22年)】
■所持している業務関連資格【公認心理師・臨床心理士・精神保健福祉士】
備考