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臨床心理学概論
岡本 かおり
大学名 清泉女学院大学
学部・学科 心理コミュニケーション学科 専門教育科目
開講キャンバス 上野 授業形態 講義
履修区分 選択 単位数 2単位
配当年次 2年 開講期
授業の概要

臨床心理学とは、心の問題によって生活上、悩みや困難を抱える人に対し、科学的根拠のある方法で援助するための理論と実践の学問である。本講義では、その基礎となる理論と実践について、成立ちと代表的な理論について学ぶ。この授業は公認心理師の大学における必要な科目の「臨床心理学概論」に対応しているが、同時に、心の問題(悩みや困難)とその対応に関する理論を広く扱う。そのため、将来の職業選択に関係なく、一般的に心の健康に関する幅広い知識と対処法についても学ぶ。

学習到着目標

臨床心理学の体系について概説できる。臨床心理学の成立ちについて概説できる。臨床心理学が扱う心の問題と代表的な理論について概説できる。心に問題を抱えた状態にある他者を尊重し、自らの問題や悩み事に関して、客観的に捉えられるように論理的思考を身に付ける。

成績評価方法

リアクションペーパー(30%)・ミニテスト(20%)・期末テスト(50%)

*適宜、ミニテストを行って、学習状況・知識の定着度を確認します。

課題に対する
フィードバック方法

授業中の質問にはその場でコメントする。リアクションペーパーに疑問や質問を記載することで、次回の授業にて補足説明を行う。ミニテスト・期末テストについては実施後、解説を行う。

アクティブ
ラーニング要素
□外部連携の課題解決型学習(協定あり) □ディスカッション・ディベート □グループワーク □プレゼンテーション(発表) □実習・実技・実験 □フィールドワーク ■リアクションペーパー
授業計画
授業項目・内容 / 各回の準備学修(予習・復習)について / 担当
1 内容

オリエンテーション:臨床心理学とは 定義と理念・体系について理解する。

予復習

シラバスを読み、教科書の目次、構成を確認しておきましょう。興味のある章や語句をチェックしておきましょう。

担当
2 内容

臨床心理学の成立ち:世界と日本の歴史と成立ちを知り、学問の特徴と課題を理解する。

予復習

教科書から、臨床心理学の世界と日本の捉え方の違いを調べておきましょう。

担当
3 内容

臨床心理学があつかう心の問題、生物・心理・社会モデルとは:心の問題とは何か、異常の考え方について、問題の捉え方について学ぶ。  

予復習

こころの問題とは何か、異常とは、正常とは何かについて、教科書を読み考えてみましょう。

担当
4 内容

精神分析的アプローチ:精神分析の歴史的な経緯、パーソナリティ論、治療概念、転移、防衛機制等の概略を学ぶ。

予復習

フロイトに始まる精神分析について、教科書やフロイトの著作などをみておきましょう。

担当
5 内容

分析心理学的アプローチ:ユング心理学の概略と分析的心理療法について学ぶ。

予復習

C.G.ユング、河合隼雄の著作に目を通しておきましょう。

担当
6 内容

行動論・認知論的アプローチ:認知行動療法に共通する特徴を理解し、行動療法、認知療法の特徴、ケースフォーミュレーションのプロセスについて説明できる。

予復習

心理学概論等で勉強した行動主義について復習しておきましょう。

担当
7 内容

ヒューマニスティック・アプローチ:人間性心理学の誕生、人間観について理解する。人間性心理学の心理療法の特徴について説明できる。

予復習

C.ロジャーズやマズローの欲求階層説について調べてみましょう。

担当
8 内容

システミック・アプローチ:家族システム理論、二重拘束理論について理解する。家族療法とブリーフセラピーについて説明できる。

予復習

これまでの内容を復習して疑問点を明らかにし、自分で調べたり、教員に質問したりしましょう(準備学習4時間以上)。

担当
9 内容

グループ・アプローチ:グループ・アプローチの概要を理解し、代表的なアプローチについて説明できる。

予復習

家族療法・ブリーフセラピーについて調べてみましょう。

担当
10 内容

コミュニティ・アプローチ:コミュニティ・アプローチの誕生について理解する。コミュニティへの介入、社会問題への対応について学ぶ。

予復習

グループ療法やコミュニティアプローチの事例報告、論文について調べてみましょう。

担当
11 内容

ナラティブ・アプローチ:社会構成主義の基本的視点を理解する。ナラティブ・アプローチにおける「語り」の意味ついて学ぶ。

予復習

ナラティブ・セラピーの事例報告や論文について調べてみましょう。

担当
12 内容

非言語的アプローチ:非言語的アプローチにおけるイメージの理論的背景、遊戯療法における遊びの意味について学ぶ。

予復習

プレイセラピーの事例報告や論文についてを調べてみましょう。

担当
13 内容

統合的アプローチ:心理療法の統合運動における4つのアプローチについて概略を学ぶ。多様な心理療法に共通する要因を説明できる。

予復習

統合的アプローチ中から一つを選んで、事例報告や論文を調べてみましょう。

担当
14 内容

日本生まれのアプローチ:森田療法・内観療法・臨床動作法について学ぶ。

予復習

森田療法・内観療法・臨床動作法の中から一つを選んで事例報告や論文を調べてみましょう。

担当
15 内容

まとめ:確認テストを実施して学修を振り返る。テストを実施した後、内容の解説を行う。

予復習

これまでの学習を振り返り、教科書や参考文献、ノートを参照して総復習をしましょう。(準備学習4時間以上)

担当
16 内容
予復習
担当
準備学修
(予習・復習)時間

「各回の準備学修」項目を確認し、講義・演習は4時間(実技・実習は2時間)程度の予習・復習を奨励します。

教科書

野島 一彦・岡村 達也 (編集)(2023)公認心理師の基礎と実践③ 臨床心理学概論第2版 遠見書房  

参考書・文献

下山晴彦・石丸径一郎(2020)臨床心理学概論 ミネルヴァ書房

丹野 義彦・他 (2015)臨床心理学 有斐閣

履修条件

臨床心理学の知識を着実に理解するため、教科書の予習、授業内容の復習を各自するようにしてください。

ICT活用 ■双方向型授業【リアクションペーパーによる質問を受け付け、次回の講義に反映し、補足説明を行う。】
■自主学習支援【参考資料、補足資料を授業時間中に伝えるので、適宜予習復習に使用してください。】
実務経験 ■実務経験の内容【講師は臨床心理士として他領域での臨床実践がある。】
■所持している業務関連資格【臨床心理士・公認心理師】
備考

本講義は臨床心理学の基礎的事項の概説となる。授業を通して興味を持った部分については、授業時間外にも履修者自身が積極的に予習・復習を行うことが望まれる。