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公認心理師の職責
山本 京子
大学名 清泉女学院大学
学部・学科 心理コミュニケーション学科 専門教育科目
開講キャンバス 上野 授業形態 講義
履修区分 選択 単位数 2単位
配当年次 3年 開講期
授業の概要

公認心理師は「国民の心の健康の保持増進に寄与することを目的とする」(公認心理師法第1条)とうたわれた国家資格です。社会の様々な分野において心理社会的な課題があり問題解決が望まれるなかで、心理学に携わる者への社会的な期待は高く、2017年に公認心理師法が施行されました。公認心理師を目指す第1歩として、公認心理師の基本的なコンセプトを理解し、公認心理師に課せられた義務や代表的な5分野(保健医療・福祉・教育・司法・産業)での役割を学びます。

学習到着目標

公認心理師の役割や法的義務を正しく理解する(論理的思考)

5分野における公認心理師の主な活動や課題を知り、多職種連携に活かす(課題発見力)

支援者としての自己の課題を常に意識し、研鑽に努める(課題発見力)

成績評価方法

期末試験(70%) リアクションペーパー(30%)

課題に対する
フィードバック方法

リアクションペーパーの内容は次の授業で取り上げて、コメントやシェアリングをする。

アクティブ
ラーニング要素
□外部連携の課題解決型学習(協定あり) □ディスカッション・ディベート □グループワーク □プレゼンテーション(発表) □実習・実技・実験 □フィールドワーク ■リアクションペーパー
授業計画
授業項目・内容 / 各回の準備学修(予習・復習)について / 担当
1 内容

ガイダンス(この講義で学んでいくこと)

公認心理師法、公認心理師の役割について

予復習

予習・復習 配布資料で授業内容を振り返る。公認心理師として働く上での疑問や課題を社会情勢も意識しつつ常に考えておく。

担当
2 内容

公認心理師の法的義務・倫理

法的位置づけ、信用失墜行為、秘密保持、登録取り消し、職業倫理等について

予復習

予習・復習 配布資料で授業内容を振り返る。公認心理師法の重要な条文は復習して、内容を理解し、しっかり覚えておく。

担当
3 内容

心理に関する要支援者の安全確保

相談者の不安感への理解と安全・安心感の提供、インフォームドコンセント等について

予復習

予習・復習 配布資料で授業内容を振り返る。自分が相談する立場であれば、何が不安か安心感を持つには何が必要かを考える。

担当
4 内容

情報の適切な取り扱い

秘密とは何か、秘密保持の例外とは何か、警告義務、連携に際しての注意等について

予復習

予習・復習 配布資料で授業内容を振り返る。秘密保持と連携(情報共有)の兼ね合いに関して、疑問や課題を考えておく。

担当
5 内容

保健医療分野における公認心理師の具体的な業務

医療法、地域保健法、様々な医療分野での公認心理師の役割、チーム医療等について

予復習

予習・復習 配布資料で授業内容を振り返る。医療場面で期待される公認心理師の業務に関しての疑問や課題を考えておく。

担当
6 内容

福祉分野における公認心理師の具体的な業務(児童福祉)

児童福祉法、児童相談所や子育て支援事業の業務内容等について

予復習

予習・復習 配布資料で授業内容を振り返る。児童相談所や子育て支援現場での公認心理師に期待されることや課題を考えておく。

担当
7 内容

福祉分野における公認心理師の具体的な業務(障害者福祉、高齢者福祉、女性相談)

各分野の基本的な制度と業務内容

福祉分野に共通する職責について

予復習

予習・復習 配布資料で授業内容を振り返る。障害者、高齢者福祉、女性相談等の現場で公認心理師に期待される役割や課題について考えておく。

担当
8 内容

教育分野における公認心理師の具体的な業務

スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーの業務等について

予復習

予習・復習 配布資料で授業内容を振り返る。小中高時代、スクールカウンセラーの存在を知っていたかどうか振り返って、疑問や課題について考えておく。

担当
9 内容

司法・犯罪分野における公認心理師の具体的な業務(少年非行)

少年法、少年事件の手続き、矯正教育等について

予復習

予習・復習 配布資料で授業内容を振り返る。少年非行の対応に関して、疑問や課題について考えておく。

担当
10 内容

司法・犯罪分野における公認心理師の具体的な業務(成人)

刑法、再犯防止、医療観察制度、犯罪被害者支援等について

予復習

予習・復習 配布資料で授業内容を振り返る。成人の犯罪や被害者支援に関して、疑問や課題について考えておく。

担当
11 内容

産業・労働分野における公認心理師の具体的な業務

労働災害、パワーハラスメント、職場復帰支援等について

予復習

予習・復習 配布資料で授業内容を振り返る。職場のメンタルヘルスや労災、心理支援に関して疑問や課題を考えておく。

担当
12 内容

支援者としての自己課題発見・解決能力

生涯学習への準備

予復習

予習・復習 配布資料で授業内容を振り返る。公認心理師として成長していくために、自己の課題を意識し、今後必要な学びについて考えておく。

担当
13 内容

多職種連携と地域連携

生物―心理―社会モデル、他職種連携の具体例等

予復習

予習・復習 配布資料で授業内容を振り返る。チームプレーや多職種連携のために何が必要とされるかを考えておく。

担当
14 内容

公認心理師の今後の展開

公認心理師の活動状況と課題

予復習

予習・復習 配布資料で授業内容を振り返る。今までの学びから公認心理師として働く上での課題等について考えておく。

担当
15 内容

総復習

予復習

期末試験準備(準備学習時間10時間以上)

担当
16 内容

期末試験

予復習
担当
準備学修
(予習・復習)時間

「各回の準備学修」項目を確認し、講義・演習は4時間(実技・実習は2時間)程度の予習・復習を奨励します。

法制度の説明が多いので難しく感じることもあると思います。授業の配布資料を再読し、しっかり復習をしてください。

教科書

教科書は用いませんが、授業中に資料を配布します。

資料は前日にクラスルームにアップします。

参考書・文献

「公認心理師の職責」公認心理師の基礎と実践 遠見書房(2000円+税)「公認心理師カリキュラム検討会報告書」(厚生労働省) 「今、心理職に求められていること」誠信書房(2800円+税)「ジェネラリストとしての心理臨床家」金剛出版(3000円+税)等

履修条件

公認心理師受験に必要な科目のひとつです。

ICT活用
実務経験 ■実務経験の内容【県職員として、精神保健福祉センター、児童相談所等(相談支援業務)及び県庁(児童福祉行政等)に勤務した】
■所持している業務関連資格【公認心理師 臨床心理士】
備考