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司法・犯罪心理学
岡本 かおり
大学名 清泉女学院大学
学部・学科 心理コミュニケーション学科 専門教育科目
開講キャンバス 上野 授業形態 講義
履修区分 選択 単位数 2単位
配当年次 3年 開講期
授業の概要

犯罪・非行、犯罪被害及び家事事件についての基本的知識、並びにそれらの問題への心理的支援法について学ぶ。現代社会で発生している犯罪について理解するため、法律や制度を学び、犯罪白書などの社会調査の読み方や、社会学・精神医学・心理学等の知見を幅広く学ぶ。また、少年非行について、その分野に長く携わってきた講師を招き、少年鑑別所等で行われている処遇の実際について知る。最近の事件、犯罪に関連したドラマや映画を取り上げ、犯罪発生メカニズム、加害者の心理、被害者の心理と支援などを学ぶ。地域の安全と安心をどのようにして守るか、自分たちにできることについて具体的に学ぶ。

学習到着目標

犯罪・非行、犯罪被害及び家事事件についての基本的知識、並びに司法・犯罪分野における問題に対する心理的支援について理解し、犯罪・非行の基礎的知識を習得し、現状の問題点について考えることで課題発見力を身に付ける。犯罪・非行という事象を、加害・被害の両面から捉えられるよう論理的思考力を身に付ける。防犯において自分たちにできることを具体的に学ぶ。

成績評価方法

リアクションペーパー(20%)、小テスト(30%)、期末レポート(50%)

課題に対する
フィードバック方法

リアクションペーパーの反応を授業に反映する。小テスト後、解説を加える。期末レポートについては、授業内で発表後、講評を行う。

アクティブ
ラーニング要素
□外部連携の課題解決型学習(協定あり) □ディスカッション・ディベート □グループワーク ■プレゼンテーション(発表) □実習・実技・実験 □フィールドワーク ■リアクションペーパー
授業計画
授業項目・内容 / 各回の準備学修(予習・復習)について / 担当
1 内容

ガイダンス(授業の説明)犯罪心理学の授業で扱う内容について どのような犯罪があるのか、犯罪の種類と定義について理解する。犯罪・非行の発生状況について、犯罪白書などの統計を読み解く。

予復習

最近のニュースから、どのような犯罪があるのか、印象に残った犯罪について、どのように報道されているのか、インターネットで犯罪白書を調べておくと良い。

担当
2 内容

殺人・連続殺人:過去の事件から殺人者に見られる特徴について調べる。過去の事件が題材となっている海外のドラマや映画からプロファイリングの手法について学ぶ。

予復習

犯罪白書について前回の授業内容を復習する。過去の殺人事件について調べ、疑問点を書き出す。

担当
3 内容

少年犯罪・非行:少年犯罪・非行の定義、司法の流れ、少年鑑別所等の業務、更生に必要な心理的支援について学ぶ。について理解する。

予復習

殺人・連続殺人について前回の授業内容を復習する。過去の少年犯罪事件について調べ、疑問点を書き出す。

担当

ゲスト講師招聘

(少年鑑別所)

4 内容

女性による殺人事件・放火:女性が加害者の殺人事件の特徴、放火の定義と特徴、過去の事件から加害者の心理について学ぶ。

予復習

少年犯罪・非行について前回の授業内容を復習する。過去の女性による殺人事件・放火について調べ、疑問点を書き出す。

担当
5 内容

テロリズム:テロの定義と分類、過去の事件から、加害者の心理状態、社会への影響を知り、防犯のための対策について知る。

予復習

女性による殺人・放火について前回の授業内容を復習する。テロによる事件について調べ、疑問点を書き出す。

担当
6 内容

性犯罪:痴漢、盗撮、強制わいせつ、強制性交等罪といった性犯罪の種類と特徴を学び、加害者の心理、更生のためになされている支援と状況について学ぶ。

予復習

テロリズムについて前回の授業内容を復習する。過去の性犯罪の事件を調べ、疑問点を書き出す。

担当
7 内容

小テストと解説:重大犯罪の特徴について学ぶ。

犯罪をテーマにしたドキュメンタリーから加害者・被害者双方の心理について学ぶ。

予復習

第1~6回までの授業内容を振り返り、総合的に復習する時間を取ること。(準備学習4時間以上)

担当
8 内容

被害者の心理:被害者の置かれた状況、心的外傷後ストレス障害とその治療、支援制度、被害者の回復のプロセスについて学ぶ。

予復習

小テストの内容を復習する。これまで学んだ重大犯罪の被害者の心理について調べ、疑問点を書き出す。

担当
9 内容

犯罪を予防する:子どもたちにどのように防犯を教えるか、地域の安全と防犯について学ぶ。

予復習

被害者の心理について復習する。地域の安全と防犯ン活動について調べ、疑問点を書き出す。

担当
10 内容

犯罪を予防する:防犯・予防活動について知る。特にネット犯罪の実態と防犯対策について考える。

予復習

犯罪の予防について前回の授業内容を復習する。ネット犯罪事件について調べ、疑問点を書き出す。

担当

ゲスト講師招聘

11 内容

PTSDへのアプローチ:ドラマや映画からPTSDの症状を学び、回復のために役立つ心理的支援について学ぶ。

予復習

犯罪予防についてこれまでの授業内容を復習する。PTSDや被害者支援について調べ、疑問点を書き出す。

担当
12 内容

家庭内暴力・デートDV・ストーカー:家庭内暴力、デートDV,ストーカーの事例について知り、加害者の心理、被害者の援助希求行動について学ぶ。

予復習

PTSDや被害者支援について前回の授業内容を復習する。家庭内暴力、DV、ストーカー事件を調べ、疑問点を書き出す。

担当
13 内容

交通事故、死亡事故:煽り運転・飲酒運転の実態、被害者・遺族の置かれた状況を知る。複雑性悲嘆とその回復について学ぶ。

予復習

家庭内の事件、デートDV、ストーカーについて前回の授業内容を復習する。交通事故についてを調べ、疑問点を書き出す。

担当
14 内容

捜査の心理学:目撃者の心理、捜査における証言の信ぴょう性、自白の心理について学ぶ。

予復習

交通事故・死亡事故、煽り運転等について前回の授業内容を復習する。捜査や目撃証言についてを調べ、疑問点を書き出す。期末レポートの作成をする。

担当
15 内容

期末レポートの講評:設定したテーマに基づいて作成したレポートを発表する、グループでディスカッションを行い、講評を受ける。

予復習

総合的に授業内容を振り返る。理解の足りない点、疑問点はまとめておくこと。期末レポートを作成する(準備学習4時間以上)

担当
16 内容
予復習
担当
準備学修
(予習・復習)時間

「各回の準備学修」項目を確認し、講義・演習は4時間(実技・実習は2時間)程度の予習・復習を奨励します。

授業の内容の他、テレビ、新聞、インターネット等の報道に注目し、授業での学びを社会現象と照らして捉えるようにしてください。

教科書

越智啓太(2020)司法犯罪心理学 サイエンス社

参考書・文献

越智啓太(2013)ケースで学ぶ犯罪心理学 北大路書房

桐生正幸(2016)犯罪心理学―捜査と防犯―

履修条件

本講義は、犯罪について取り上げる授業のため、犯罪について見聞きすることに強い不安や恐怖を感じる場合は、履修を控えた方が良いかも知れません。不安に思う場合は、第1回のガイダンスでどのような授業か説明しますので、そこで受講の有無を検討してください。

ICT活用 ■双方向型授業【リアクションペーパーの活用、ミニテストの実施により理解度を確認して授業内容に反映する。】
■自主学習支援【classroomを活用して資料配布や補足説明等と行う。】
■遠隔授業【対面による授業が基本となる。Zoomによるリアルタイムの視聴も状況によっては可能である。】
実務経験 ■実務経験の内容【担当者は犯罪被害者臨床での豊富な臨床経験がある。ゲスト講師に非行臨床の専門家等を招く予定。】
■所持している業務関連資格【公益社団法人犯罪被害者支援センターの相談員資格、臨床心理士、公認心理師】
備考

各回の内容と進行順については入れ替わる可能性があります。