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教育制度論
岡部 敦
大学名 清泉女学院大学
学部・学科 心理コミュニケーション学科 専門教育科目
開講キャンバス 上野 授業形態 講義
履修区分 選択 単位数 2単位
配当年次 1年 開講期
授業の概要

学校や教育をめぐる法や制度に関し、これを制定法に縛られた固定的なものとしてではなく、教育組織内外の様々なアクター、すなわち、教職員、保護者、地域住民、とりわけ、子どもたちとの応答なかで、教育現場において生成・発展していくものとして理解する。将来教壇に立つことを前提として、基本的知識のみならず、今日の学校現場で起きている様々な教育問題に関しディスカッションやグループ発表を行い、「対話」を通して、教育制度をより主体的・実践的に学習していく。合わせて、教育行政(教育委員会)のもつ学校支援の役割についての認識を深めながら、諸外国、特に米国や北欧の教育制度や教育事情にも目を向け、視野を広げる。

学習到着目標

教職をめざす受講者が、昨今の子どもを取り巻く厳しい環境と学校内外における「子どもの人権」保障の意味を理解することを究極的な目標とする。基本的な知識の修得に加え、ディスカッションを通して、制度や法の視点から学校や教育が抱える今日的課題を見つけ出す力(「課題発見力」)を育成する。合わせて、子どもを中心にすべての関係者が協働する制度づくりを模索する中で、教育における「他者尊重」の意味を深く理解する。

成績評価方法

中間試験及び期末試験(30%)、最終レポート(50%)、授業への参加姿勢・意見発表・課題提出(20%)により評価を行う。

課題に対する
フィードバック方法

googleクラスルームを利用して、授業での課題やレポートの提出と、それに対する個別のフィードバックを速やかに行う。合わせて、クラス全体でも問題意識を共有する。また、7つの力のルーブリックアンケートを用いて、自身の学修目標の到達状況について自己評価を行う。

アクティブ
ラーニング要素
□外部連携の課題解決型学習(協定あり) ■ディスカッション・ディベート ■グループワーク ■プレゼンテーション(発表) □実習・実技・実験 □フィールドワーク ■リアクションペーパー
授業計画
授業項目・内容 / 各回の準備学修(予習・復習)について / 担当
1 内容

今、学校で起きていること:学校のコロナ対応と子どもたち/子どもの声を聴くとは

上記の内容を学習し、議論を通して、より理解を深める。

予復習

〔事前予習〕コロナ禍の子どもたちに関する資料を読み、ディスカッションに備える。〔事後学習〕子どもの意見表明権について理解したことをまとめる。

担当
2 内容

戦前の教育制度と教育勅語体制:教育機会の不平等/戦争と教育

上記の内容を学習し、議論を通して、より理解を深める。

予復習

〔事前学習〕戦前の教育制度に関わる資料・ビデオを見て、ディスカッションに備える。〔事後学習〕戦前の教育制度の何が問題であったか、授業を振り返ってまとめる。

担当
3 内容

憲法・教育基本法体制の成立:教育委員会の誕生と教育の直接責任原理

上記の内容を学習し、議論を通して、より理解を深める。

予復習

〔事前学習〕憲法・教育基本法の成立に関する資料を読み、ディスカッションに備える。〔事後学習〕戦前と戦後の教育の根本的な違いについて、理解したことをまとめる。

担当
4 内容

教育の機会均等と憲法26条<1>:子どもの貧困問題と就学援助制度

上記の内容を学習し、議論を通して、より理解を深める。

予復習

〔事前学習〕長野県「子どもと子育て家庭の生活実態調査」を読み、ディスカッションに備える。〔事後学習〕自分の居住する自治体の就学援助制度について調べる。

担当
5 内容

教育の機会均等と憲法26条<2>:「能力に応じてひとしく」及び能力の発達保障の意味

上記の内容に関わる学習に取り組み、議論を通して、より理解を深める。 

予復習

〔事前学習〕ヴィゴツキーの文章を読み、ディスカッションに備える。〔事後学習〕自らの経験をふり返りながら、能力主義の問題点について考えをまとめる。

担当
6 内容

教育の機会均等と憲法26条<3>:不登校問題/障害を持った子どもとインクルーシブ教育

上記の内容に関わる学習に取り組み、議論を通して、より理解を深める。

予復習

〔事前学習〕不登校問題に関する資料を読み、ディスカッションに備える。〔事後学習〕不登校児の学習権、インクルーシブ教育の意味について考えをまとめる。

担当
7 内容

憲法26条以外の教育人権規定<1>:代表的な教育判例から学ぶ

上記の内容を学習し、議論を通して、より理解を深める。

※中間テスト 知識の定着度を確認する。

予復習

〔事前学習〕中間テストに備えて4時間以上の準備学習を行う。〔事後学習〕教育人権が憲法上保障されていることの意味について、学習したことをまとめる。

担当
8 内容

憲法26条以外の教育人権規定<2>:自己決定権と校則問題

上記の内容を学習し、議論を通して、より理解を深める。

予復習

〔事前学習〕中学や高校の校則などを振り返り、ディスカッションに備える。〔事後学習〕学校で自己決定能力を育てることの重要性について、理解したことをまとめる。

担当
9 内容

公教育制度の基本原理<1>:6・3・3制とジュニアハイスクール運動

上記の内容を学習し、議論を通して、より理解を深める。

予復習

〔事前学習〕なぜ6と3に区切られているのか、自らの経験を振り返りながら、ディスカッションに備える。〔事後学習〕6・3・3制の成立要因と思春期教育について、学習したことをまとめる。

担当
10 内容

公教育制度の基本原理<2>:小中一貫教育の導入と問題点/新制中学校の意義

上記の内容を学習し、議論を通して、より理解を深める。 

予復習

〔事前学習〕6・3・3制改革に関する資料を読み、ディスカッションに備える。〔事後学習〕公教育制度の柱である新制中学校の意義について、理解したことをまとめる。

担当
11 内容

公教育制度の基本原理<3>:学区制と学校選択制

上記の内容を学習し、議論を通して、より理解を深める。

予復習

〔事前学習〕自らの中学校時代の校区について振り返り、ディスカッションに備える。〔事後学習〕学区制の意味と学校選択制の問題点について、学習したことをまとめる。

担当
12 内容

教育行政と学校<1>:教育委員会制度の基本原理とその変質

上記の内容を学習し、議論を通して、より理解を深める。

予復習

〔事前学習〕米国教育使節団報告を読み、ディスカッションに備える。〔事後学習〕近年の教育への首長の関与の強化がもたらす長短について、自分の考えをまとめる。

担当
13 内容

教育行政と学校<2>:学校を基盤にした教育統治(SBM)とコミュニティ・スクール

上記の内容を学習し、議論を通して、より理解を深める。

予復習

〔事前学習〕信州型コミュニティスクールに関する資料を読み、ディスカッションに備える。〔事後学習〕日本の学校運営協議会と欧米の学校協議会との違いをまとめる。

担当
14 内容

教育行政と学校<3>:教育委員会の活性化へ向けて

上記の内容を学習し、議論を通して、より理解を深める。

予復習

〔事前学習〕文科省の統計資料を読み、ディスカッションに備える。〔事後学習〕自分が住む自治体の教育委員会について調べ、もし教育委員だったらどんな政策を行いたいか、考えをまとめる。

担当
15 内容

教育行政と学校<4>:教育への「不当な支配」の排除と「対話」に基づく学校経営

上記の内容を学習し、議論を通して、より理解を深める。

※最終レポート課題の提示

予復習

〔事前学習〕教育への不当な支配に関わる資料を読み、ディスカッションに備える。〔事後学習〕子どもを中心とした対話に基づく学校経営の在り方について、理解したことをまとめる。

担当
16 内容

期末テスト 知識の定着度を確認する。

予復習

期末テストに備えて4時間以上の準備学習を行う。

担当
準備学修
(予習・復習)時間

「各回の準備学修」項目を確認し、4時間程度の予習・復習の時間を確保したい。

教科書

特に指定しない。授業時に適宜資料を配布する。

参考書・文献

授業時に配布する資料やスライドに適宜記載してある。

履修条件

英語教員または養護教諭をめざす者に限る。

ICT活用 ■双方向型授業【学生─教員間、学生─学生間のディスカッション】
■自主学習支援【学生の学習成果に対するフィードバック】
■遠隔授業【適宜、パワーポイントによるスライド・動画、DVDの活用、google classroomの活用】
実務経験 ■実務経験の内容【公立高等学校において外国語(英語)教員としての実務経験あり】
■所持している業務関連資格【高等学校教諭専修免許状(外国語(英語))、高等学校教諭専修免許状(商業)】
備考