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特別支援教育概論
生井 裕子
大学名 清泉女学院大学
学部・学科 看護学科 専門教育科目、心理コミュニケーション学科 専門教育科目
開講キャンバス 東口 授業形態 講義
履修区分 選択 単位数 2単位
配当年次 3年 開講期
授業の概要

この授業では、障害を持つ児童の教育の歴史について概観し、障害に対する具体的な支援のあり方や方法について理解を深めることを目的とする。具体的な障害の基礎知識を学んだ上で、学校教育における特別の支援を必要とする児童生徒のニーズを学び、インクルーシブ教育の理念、及び特別支援教育の仕組みや支援の内容について理解する。また、障害を持つ人々の当事者の声やコミュニティアプローチの実践を知ることを通じて、障害を持って生きることの心理社会的課題を理解し、学校卒業後にも必要となる支援の手立てについて理解を深めることを目指す。

学習到着目標

・障害についての基礎知識を学び、特別の支援を必要とする子どもの特徴及び対応を理解する(他者尊重)。

・障害を持つ人々の心理社会的課題を理解し、社会に必要とされる制度を考えた上で、身近なことからアクションに移していく(行動力)。

成績評価方法

期末課題(50%)、ミニレポート2つ(30%)、リアクションペーパー(20%)により評価する。

課題に対する
フィードバック方法

ミニレポートについては、授業内で講評する。リアクションペーパーについては、授業内で適宜コメントする。

アクティブ
ラーニング要素
□外部連携の課題解決型学習(協定あり) ■ディスカッション・ディベート ■グループワーク □プレゼンテーション(発表) □実習・実技・実験 □フィールドワーク ■リアクションペーパー
授業計画
授業項目・内容 / 各回の準備学修(予習・復習)について / 担当
1 内容

ガイダンス

授業の概要及び、授業の到達目標を理解する。日本の法律や施策の体系のなかでの知的障害、精神障害、身体障害、発達障害の分類と定義を知る。

予復習

復習:ガイダンスの内容を踏まえ、この授業を通じてどんなことを学びたいか、各自の関心をリアクションペーパーにまとめ、提出する

担当
2 内容

障害とはなにか

障害者権利条約に至る障害観の歴史的変遷を理解する。ノーマライゼーションおよび合理的配慮を鍵概念として各自の障害観を省察する。国際生活機能分類(ICFモデル)に触れる。

予復習

復習:授業後に出される小課題をリアクションペーパーにまとめ、授業内容を振り返る

担当
3 内容

障害をもつ児童の教育の歴史1

世界の障害児教育の歴史を辿る。特に、近代における学校教育と障害児教育の関係をビネーの知能測定尺度の開発の経過を手がかりにして理解する。

予復習

復習:授業後に出される小課題をリアクションペーパーにまとめ、授業内容を振り返る

担当
4 内容

障害をもつ児童の教育の歴史2

日本における障害児教育の歴史をたどり、「特別な教育的ニーズ」という概念の登場を経て、インクルーシブ教育に向かっている近年の動向を概観する。

予復習

復習:授業後に出される小課題をリアクションペーパーにまとめ、授業内容を振り返る

担当
5 内容

インクルーシブ教育について

交流及び共同学習の実際、障害児童の地域学校在籍、合理的配慮の提供などのインクルーシブ教育の試みに触れて、その現状と課題を理解する。

予復習

復習:授業後に出される小課題をリアクションペーパーにまとめ、授業内容を振り返る

担当
6 内容

わが国の特別支援教育のしくみ

現在の特別支援教育のしくみについて全体像を理解する。特別支援学級、特別支援学校、通級などの学級や特別支援教育コーディネイターの役割、個別指導計画などを具体的に把握する。

予復習

ミニレポート①:学校における特別支援教育の制度についてまとめる。(準備学習時間2時間以上)

担当
7 内容

障害の理解

主に知的障害および発達障害の理解を深める。

予復習

復習:授業後に出される小課題をリアクションペーパーにまとめ、授業内容を振り返る

担当
8 内容

特別な教育的ニーズへの配慮と支援の実際1

重度の知的発達症および医療的ケアを要する児童生徒の支援について学ぶ。

予復習

復習:授業後に出される小課題をリアクションペーパーにまとめ、授業内容を振り返る

担当
9 内容

特別な教育的ニーズへの配慮と支援の実際2

自閉スペクトラム症の児童生徒の具体的な支援方法について学ぶ。

予復習

復習:授業後に出される小課題をリアクションペーパーにまとめ、授業内容を振り返る。

担当
10 内容

特別な教育的ニーズへの配慮と支援の実際3

注意欠如多動症と限局性学習症の児童生徒の具体的な支援方法について学ぶ。

予復習

復習:授業後に出される小課題をリアクションペーパーにまとめ、授業内容を振り返る。

担当
11 内容

特別な教育的ニーズへの配慮と支援の実際4

身体障害(視覚障害・聴覚障害・肢体不自由、病弱等)をもつ児童生徒の困難を知り、具体的な支援方法について学ぶ。

予復習

復習:授業後に出される小課題をリアクションペーパーにまとめ、授業内容を振り返る。

担当
12 内容

特別な教育的ニーズへの配慮と支援の実際5

母国語や貧困の問題等により特別な教育的ニーズを有する児童の発達的特徴及び直面する困難について知り、具体的な支援方法や、組織的対応の必要性について学ぶ。

予復習

ミニレポート②:特別な教育的ニーズをもつ児童生徒への具体的支援についてまとめる。(準備学習時間2時間以上)

担当
13 内容

卒業後の進路や課題(1)就労支援サービス、医療支援

就労支援を含めた成人期の支援を支えるさまざまなしくみやサービスを知る。

予復習

復習:授業後に出される小課題をリアクションペーパーにまとめ、授業内容を振り返る。

担当
14 内容

卒業後の進路や課題(2)当事者の声から学ぶ

社会で生きる当事者の声から障害を持つ人々にとってのピアサポートの意義を知ると共に、コミュニティアプローチの事例をもとに、「社会で生きる」ことへの支援を学ぶ。

予復習

復習:授業後に出される小課題をリアクションペーパーにまとめ、授業内容を振り返る。

担当
15 内容

授業のまとめ

授業全体のまとめを行う。

予復習

期末課題:障害観の歴史的変遷を踏まえ、現在の特別支援教育の具体例を示し、課題を踏まえた今後の展望について論じる。(準備学習時間4時間以上)

担当
16 内容
予復習
担当
準備学修
(予習・復習)時間

「各回の準備学修」項目を確認し、講義・演習は4時間(実技・実習は2時間)程度の予習・復習を奨励します。

教科書

田村俊輔・富永裕子他『学びの軌跡』(清泉女学院教育文化研究所、2018年)

その他、Google Classroomを通じて資料を配布する。

参考書・文献

花熊曉ほか(編)『特別支援教育概論』(建帛社、2020年)3,190円

履修条件

教員免許の取得を目指している者。障害をもつ人の支援に関心がある者。

ICT活用 ■自主学習支援【Google Classroomを利用して資料や課題の提示を行う。】
実務経験 ■実務経験の内容【教育領域における心理支援(13年)】
■所持している業務関連資格【公認心理師・臨床心理士】
備考