30222
現代文化総論
増田 正昭
大学名 清泉女学院大学
学部・学科 文化学科 専門教育科目
開講キャンバス 上野 授業形態 講義
履修区分 選択 単位数 2単位
配当年次 1年 開講期
授業の概要

・現代社会で起きている出来事を題材に、その情報が何を意味するのか、暮らしとどう関わっているのか、一緒に読み解いていく授業です。

・新型コロナ、ロシアのウクライナ侵略、少子高齢社会、国際関係など時事問題を中心に、地方自治や長野県が全国で最も多くを送出した満蒙開拓団の歴史といった身近なテーマまで幅広く取り上げます。     

・授業のはじめに学生が「気になるニュース」を挙げ、意見を述べたり、講師が必要な時事用語や背景を解説したります。

・情報を多角的、批判的に読み解き、自分の言葉や文章で表現する力を養います。

・学生同士の議論やプレゼンテーションの場を設けます。

・大きな事件(出来事)が起きたときには、随時、フォローします。

学習到着目標

①今という時代の特徴を知り、情報化社会をより良く生きる技術を身につける②社会人として知っておきたい時事問題のツボを習得する③自分の心で感じ、自分の頭で考え、自分の言葉で表現する④多様な文化と共生する知恵を探る―この四つの力を養うのが授業の目標です。とくに①と③が重要です。授業中の発言、議論、プレゼンテーション、作文によってパワーアップを目指します。

成績評価方法

授業中のコメント・発言(40%)、授業後の作文(40%)、15回目に実施する、全体を通してのリポート・作文(20%)をもとに総合的に判断します。

課題に対する
フィードバック方法

講義終了後に400字詰原稿に文章を書いてもらい、添削・コメントを加え、返却します。理解が足りないところ、深めた方がいいテーマは次回に補足します。正解を求める授業ではありません。講師は多角的な見方を提示するように心掛けますが、みなさんも疑問や反論を含め自分の思いや意見を積極的に述べ、授業にフィードバックしてください。

アクティブ
ラーニング要素
□外部連携の課題解決型学習(協定あり) ■ディスカッション・ディベート ■グループワーク ■プレゼンテーション(発表) □実習・実技・実験 □フィールドワーク ■リアクションペーパー
授業計画
授業項目・内容 / 各回の準備学修(予習・復習)について / 担当
1 内容

「〇〇さんは、こんな人!」―自己紹介をかねて

・「〇〇さんは、こんな人!」をテーマに、クラスメイトにインタビューし、文章にして発表。インタビューのコツをつかみ、早く、的確に文章を書くことを目指します。

予復習

友人の特徴や個性をとらえ、相手を理解する心掛けを。雑誌や新聞、ネットなどのインタビュー記事を読んで面白いと思う作品を参考に。

担当
2 内容

「メディア社会をより良く生きるために」―情報を読み解く力とは

・さまざまな情報があふれる現代。今日のメディア社会の特徴を踏まえ、「情報を読み解く力」の意義を考えます。

予復習

日常的に接している情報は、どこから入手し、暮らしや生き方にどんな影響を与えているのか、長所や短所を含めて普段から検証しておく。

担当
3 内容

「ロシア、ウクライナ侵略の衝撃」―〝ポスト冷戦〟世界のゆくえは?

・冷戦終結から30年。各地で強権政治が台頭し、新たな分断が生まれています。冷戦後の世界の変化を踏まえ、ロシアのクライナ侵攻の国際社会への影響を読み解きます。

予復習

冷戦とは何だったか、冷戦終結によって世界情勢にどんな変化が起きたか、を調べておく。ロシア・中国・米国の関係や日本の立ち位置についても目配りを。

担当
4 内容

「岐路に立つ民主主義」―グローバル化の中で

・ロシアの独裁体制だけでなく、トランプ氏支持者らの米議会襲撃(2021年1月)や日本の選挙の低投票率など、各国で民主主義がほころびを見せている。民主主義が直面する課題を探ります。

予復習

来年の大統領選を前に米国の世論の動向に目を向ける。また、自身の政治への関心はどうか?、「低い」とすれば理由は何か?、自分の問題として見つめてみる。

担当
5 内容

「〈大人になる=主権者になる〉とは?」―政治の見方・考え方

・政策が自分にとってプラスかマイナスか、が政治の原点です。近年の日本社会の変化を踏まえ、政治に関心を持ち、投票する意味を探ります。

予復習

前回講義を受け、身近な自治や街づくり、地域づくりの重要性を学ぶ。今春の県議選などの投票や、ボランティア活動、バイトの体験なども題材に。

担当
6 内容

「地方の活力を取り戻すには?」―足元の自治と暮らし

・少子高齢化が急速に進み、衰退が指摘される地方圏。一方でコロナ禍で地方回帰の動きも見られます。地域の課題を検証するとともに、可能性を再発見してみては?

予復習

前回講義を別の視点から捉え直す。地域の人口減少の実態や影響などについて調べるとともに、ふるさとや地域の良いところを探してみる。「地域興し」のアイディアも。

担当
7 内容

「新型コロナが映し出す自然と人間」―生物多様性の消失と感染症

・水俣病などの公害や近年繰り返される新たな感染症、原発事故、地球温暖化を題材に、人と自然との関係を見直します。

予復習

公害の歴史をはじめ、気候危機、人獣共通感染症、持続可能な開発目標(SDGs)、アニマルウエルフェアなど自然と人間の関係を調べ、考えてみる。

担当
8 内容

「出生前診断 どう向き合う?」―先端医療と私たちの生き方

・血液から胎児の染色体異常を調べる出生前診断が広がっている。肯定的な受け止めの一方、戸惑いや懸念も出ています。先端医療とどう向き合ったらいいのかを考えます。

予復習

出生前診断を自分に引き寄せてとらえてみる。また、生命科学の歴史を概観し、遺伝子操作食品や先端医療などの暮らしへの影響も調べてみる。

担当
9 内容

「満蒙開拓 いまも残る傷跡」―身近な戦争体験から学ぶ

・旧満州(中国東北部)に全国1の開拓団員を送出した長野県。身近な開拓団の悲劇をひもとき、日本の戦争の実相を学びます。

予復習

祖父母や親戚の人に体験を聞くことも一案。時間がある人は下伊那郡阿智村の満蒙開拓平和記念館を訪ねたり、関連資料を調べたりする。

担当
10 内容

「戦争と人権」―〝非常時〟がもたらすもの

・ロシアの侵略戦争や米中の覇権争いによって、「非常時」に備えて軍拡を推進する声が高まっています。9講を踏まえ、「非常時」と「人権」との関係を検証します。

予復習

9講を復習し、日本の戦争の歴史を再確認。また、憲法に定められた基本的人権の内容を押さえておく。自衛隊基地の増強が進む沖縄の現状にも目を向ける。

担当
11 内容

「いま読んで面白い! 信濃の民話」―ふるさとの伝承文化を知る

・人形劇の活動を通して私が出合った国内外の民話。身近な信濃の民話を題材に、みなさんの独自の解釈で読み解いてください。

予復習

世界の民話や日本の民話、信濃の民話をチェック!。声に出して味わってみる。心理学や人類学、民俗学などの視点から書かれた民話や神話を巡る研究書も参考に。

担当
12 内容

「K-POPは人気、なのに…」―日韓関係はどこへ?

・日本でK-POPや韓流ドラマが定着し、韓国でも日本のアニメや観光人気は高い。半面、日韓関係のねじれが続いている。日韓関係を問い直します。

予復習

自分なりに韓国を知る努力を。戦前の日韓関係史だけでなく、両国の戦後の歩みに注目、文献などで調べておく。さまざまな意見に耳を傾けてみる。

担当
13 内容

「終わらない原発事故」―3・11とエネルギー政策

・ウクライナ戦争や円安によるエネルギー価格の高騰を背景に、政府は60年経過した原発の活用をはじめ、原発推進へと再びかじを切った。原発問題を改めて議論します。

予復習

東電原発事故(2011年)当時子どもだったみなさなんは、事故の〝被害者〟だが、主権者になった今、原発は避けて通れない重要な課題。どう考えたらいいか、共に議論する。

担当
14 内容

「共生社会への道」(上)―ジェンダー、LGBT…

・同性婚を巡り、政権中枢部から差別発言がなされ、夫婦別姓論義も進展しません。ジェンダー平等や性的マイノリティーの人権について考えます。

予復習

身近な例を念頭に、女性の人権の現状を整理しておく。性的少数者について、記事や本、当事者の声などから学ぶ。政府の姿勢や諸外国の実情も把握する。

担当
15 内容

「共生社会への道」(下)―〝移民国家〟日本の行方

・日本の産業や社会は外国人なしには成り立たなくなっている。にもかかわらず、人権保障は著しく遅れています。異文化共生への道筋を探ります。

予復習

外国人研修生の実態を取り上げたニュースを日頃からフォローする。バイト先での体験も題材になる。身近な問題としてとらえる。

担当
16 内容
予復習
担当
準備学修
(予習・復習)時間

日頃からニュースをフォローし、それについて考える習慣を心掛けてください。

「各回の準備学修」項目を確認し、4時間程度の予習・復習(ニュースをチェックをすることも含む)を奨励します。

教科書

世の中の出来事に対する関心のアンテナを高くし、新聞、テレビ、雑誌、ネット情報、関連する文献などに目配りしてください。

参考書・文献

参考文献は講義で随時紹介します。

履修条件

特にありません。

ICT活用
実務経験 ■実務経験の内容【信濃毎日新聞論説委員を9年、編集委員を16年間担当。信越放送コメンテーター(1998年~2001年)】
備考

・授業の順番は入れ替えることがあります。また、大きな社会問題が生じたときには、一部内容を変更することがあります。