30274
文化資源論
村尾 静二
大学名 清泉女学院大学
学部・学科 文化学科 専門教育科目
開講キャンバス 上野 授業形態 講義
履修区分 選択 単位数 2単位
配当年次 2年 開講期
授業の概要

レトロなものはなぜ魅力的か。文化資源とは、文化を貴重な資源として社会的に再創造していこうとする文化の新しいとらえ方のことをいう。たとえば、生活のなかで使われる日用品は、一般的には消耗品と考えられるが、文化資源の立場に立つと、日用品はその時代の美的感性や社会の価値観を内に秘めた貴重な資源ということになる。近年のレトロ・ブーム(昭和レトロ)やアナログ・ブーム(レコードの再評価)の背後には、こうした文化資源の考え方が息づいている。また、街の景観や伝統的な芸能・祭礼のなかに新たな文化的価値が見出され、町おこしや地域創生に活用される事例はますます増えている。このように、文化資源とは、ある時代ある地域の文化や社会を知るための貴重な手がかりとなり、同時に、観光、アート、ファッション、建築、食文化、メディア(映画・写真)などの諸分野と連動するなかで、多様な文化資源が活用され、その価値が見直されている。本授業では、文化資源についての基礎理論を学び、優れた事例を考察することにより、文化資源の掘り起こしや価値の再定義が進められる背景、そこから創造される新たな価値など、文化資源についての総合的な視点を習得する。授業は講義と受講生による発表で構成し、フィールドワークも実施する。

学習到着目標

日常生活のなかに文化資源を再発見し、文化の再創造や地域の創生事業に応用可能な視点を獲得する。授業を通して得た新たな視点を自身の関心(文化資源の発見、地域創生への寄与など)に応用・発展することができる。課題発見力と論理的思考を育成する。

成績評価方法

各回課題(40%)、議論等への積極性(20%)、期末提出課題(40%)

課題に対する
フィードバック方法

リアクションペーパーについては授業内で回答する。議論に使うこともある。

アクティブ
ラーニング要素
□外部連携の課題解決型学習(協定あり) □ディスカッション・ディベート □グループワーク ■プレゼンテーション(発表) □実習・実技・実験 ■フィールドワーク ■リアクションペーパー
授業計画
授業項目・内容 / 各回の準備学修(予習・復習)について / 担当
1 内容

文化資源論の視座―レトロなものはなぜ魅力的か

文化資源に関する議論の背景、文化資源研究の理論的枠組みについて理解する

予復習

授業で学んだことをまとめる

担当
2 内容

理論的考察①

文化政策における文化資源の役割について考察する

予復習

指定された文献を読解、要約する

授業で学んだことをまとめる

担当
3 内容

理論的考察②

観光政策における文化資源の役割について考察する

予復習

指定された文献を読解、要約する

授業で学んだことをまとめる

担当
4 内容

理論的考察③

都市政策における文化資源の役割について考察する

予復習

指定された文献を読解、要約する

授業で学んだことをまとめる

担当
5 内容

事例研究①観光

観光地・テーマパークを事例に考察する

予復習

指定された文献を読解、要約する

授業で学んだことをまとめる

担当
6 内容

事例研究②アート

日用品や民芸品を事例に考察する

予復習

指定された文献を読解、要約する

授業で学んだことをまとめる

担当
7 内容

事例研究③ファッション

民族衣装やファッションを事例に考察する

予復習

指定された文献を読解、要約する

授業で学んだことをまとめる

担当
8 内容

事例研究④建築

歴史的建造物や景観(ランドスケープ)を事例に考察する

予復習

指定された文献を読解、要約する

授業で学んだことをまとめる

担当
9 内容

事例研究⑤食文化

郷土食・ローカルフードを事例に考察する

予復習

指定された文献を読解、要約する

授業で学んだことをまとめる

担当
10 内容

事例研究⑥メディア

印刷物(広告、ZINEジン)映像(映画・写真)、音楽(レコード、カセットテープ)を事例に考察する

予復習

調査対象に関する資料を読解、要約する

調査内容についてまとめる

担当
11 内容

フィールドワーク①

文化資源を活用した地域創生事業の現場を訪れ、文化資源について調査する【準備】

予復習

調査対象に関する資料を読解、要約する

調査内容についてまとめる

担当
12 内容

フィールドワーク②

文化資源を活用した地域創生事業の現場を訪れ、文化資源について調査する【実施】

予復習

調査対象に関する資料を読解、要約する

調査内容についてまとめる

担当
13 内容

文化資源を再発見する①

日常に宿る文化資源について調べ、新たな価値の創出について検討・発表する(前半)

予復習

発表の準備をする

授業で学んだことをまとめる

担当
14 内容

文化資源を再発見する②

日常に宿る文化資源について調べ、新たな価値の創出について検討・発表する(後半)

予復習

発表の準備をする

授業で学んだことをまとめる

担当
15 内容

総括-文化資源を担う

これまでの授業内容を振り返り、文化資源研究の視点を応用・発展する方法について学ぶ

予復習

これまでに学んできたことを復習する

授業で学んだことをまとめる

担当
16 内容
予復習
担当
準備学修
(予習・復習)時間

「各回の準備学修」項目を確認し、講義・演習は4時間(実技・実習は2時間)程度の予習・復習を奨励します。

教科書

適宜、資料を配布する。

参考書・文献

今和次郎 『考現学入門』 筑摩書房、1987年。 赤瀬川原平ほか 『路上観察学入門』 筑摩書房、1993年。

島根県立石見美術館・国立新美術館 『ファッション・イン・ジャパン 1945-2020ー流行と社会』 青幻社、2021年。

履修条件

特になし。

ICT活用 ■自主学習支援【授業内容は Google Classroom でも共有する。 】
実務経験
備考