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博物館概論
山貝 征典
大学名 清泉女学院大学
学部・学科 文化学科 専門教育科目
開講キャンバス 上野 授業形態 講義
履修区分 選択 単位数 2単位
配当年次 1年 開講期
授業の概要

博物館の歴史や社会的意義、調査・研究活動の実態、教育現場との関わりなどの役割や特徴を理解する。ミュージアム(広義の博物館)は、いわゆる狭義の「博物館」としての位置づけとともに、美術館、考古館、民俗・歴史資料館、自然科学館から、動物園、植物園、水族館までをも含む、とても広い分野をカバーしている。このような多様性、諸問題、最新情報にも触れ、博物館(ミュージアム)の基礎と概略を理解する。本授業を基本として、博物館に関する各論を上位学年で順に習得していく基礎を身につける。

学習到着目標

博物館学全般の入り口として、基本用語やルールなどを理解する。成り立ちや歴史、関連法の概要、区分や分類などの意味を習得しながら必要な課題を発見する力を身につける。またこれまでの枠にとらわれない新しいかたちの博物館が出現している現状を理解し、多様さに触れ、視野を広げながら課題発見力を養う。

成績評価方法

毎回のリアクションペーパー=15%、中間に課すレポート課題=15%、筆記式の期末試験の点数=70%、として評価する。

課題に対する
フィードバック方法

リアクションペーパーによる感想や質問を翌週の授業で取り上げ、コメントをし、理解を深める。

アクティブ
ラーニング要素
□外部連携の課題解決型学習(協定あり) □ディスカッション・ディベート □グループワーク □プレゼンテーション(発表) □実習・実技・実験 ■フィールドワーク ■リアクションペーパー
授業計画
授業項目・内容 / 各回の準備学修(予習・復習)について / 担当
1 内容

概論1:博物館の4つの使命、分類方法:博物館には基本となる4つの使命がある。また資料や設置者の違いなどにより複数の分類方法がある。それらを学び、合わせて博物館法や関連法令、諸制度についても理解する。

予復習

初回の予習は不要だが、使用テキストの説明や今後の授業全体の流れについて復習して2回目に臨むこと

担当
2 内容

概論2:博物館の歴史~起源から最新のものまで:博物館の起源はどこからきているのか、その起こりや歴史、現在までの流れについて習得する。

予復習

博物館学の基本となる「4つの使命」とその詳細について復習し、確実に理解する

担当
3 内容

経営論1:運営方法や労働環境:日本の博物館の歴史において重要な公立館の位置付けや分類を理解し、さらに専門職員の減少や労働環境の問題などについても理解を深める。

予復習

近代以前と以後の特徴・違いを明確に理解できるよう復習する

担当
4 内容

経営論2:広報や情報発信、施設の運営・管理:有名建築家による建築が多い美術館・博物館に見られる特徴を学び、維持管理、統廃合や経営の困難さについても理解を深める。

予復習

公立館の分類について確実に復習する

担当
5 内容

資料論1:資料の収集・整理、調査・研究:自然界に存在する全てのモノ、人間の作り出したすべてのモノが将来は博物館資料になる可能性があることを踏まえ、資料の重要性を理解する。

予復習

博物館経営の意義について振り返る

担当
6 内容

資料論2:資料の取り扱い、保護・保存だけを考えれば展示公開はしないほうがいい。それでも博物館で資料を公開する理由について検討し、理解を深める。

予復習

一次資料と二次資料の違いについて確実に違いを復習する

担当
7 内容

資料保存論1:資料の保存には温度や湿度管理、環境設定等が重要であるが、多種多様な資料・作品を収蔵する博物館における、その取り扱いの専門性について学ぶ。

予復習

博物館で資料を公開する理由について振り返る

担当
8 内容

資料保存論2:温室度の管理や環境設定:修復と修理の違い、カビや虫、温室度、環境とのかかわりについて学ぶ。

予復習

多くの数値が出てくるので、確実に復習し身につける

担当
9 内容

中間でのふりかえり:これまでに学んできた博物館に関する基本的知識のおさらいを行い、個性的な博物館の事例を紹介する。

予復習

事前学習・事後学習を含めて効果的に見学する、中間課題は準備学習4時間以上が必要

担当
10 内容

展示論1:博物館の展示空間構成:常設展と企画展の違いを理解する。また展示にはストーリーやシナリオをがあり、ただ単に陳列しているものとは違うことへの理解を深める。

予復習

常設展と企画展の違いの理解を振り返る

担当
11 内容

展示論2:人文系と自然系の展示の違いやそれぞれの特徴:幅広い分野をカバーする広義の博物館では、同じ資料1つを取っても取り扱いが異なることがある。その違いや注意点、空間構成やデザインについて学ぶ。

予復習

空間構成やデザインを振り返る

担当
12 内容

情報・メディア論:デジタルアーカイブ、インターネット博物館:同じ社会教育機関である図書館や公民館との連携や情報交流、最新機器やインターネット博物館の出現や問題点、今後の課題について学ぶ。

予復習

スマートフォンでも鑑賞することができるネット上の博物館を体験しておく

担当
13 内容

教育論:社会教育機関や学校との連携について:教育普及活動は、特に現代における博物館で重要な課題であることを理解し、アウトリーチの概念、ワークショップの特性について理解を深める。

予復習

定期試験へ向けての注意事項のふりかえり(準備学習4時間以上)

担当
14 内容

最新情報、新しいかたちのミュージアムの出現:従来型の閉ざされた博物館から地域に開かれた新しい形への変革が求められている現状を理解し、最新事情や変革の課題への理解を深める。

予復習

新しいかたちのミュージアムの振り返り

担当
15 内容

定期試験

予復習

定期試験のため総復習(準備学習4時間以上)

担当
16 内容

試験返却と解説

予復習

不明な点や間違えたところを確認し、確実に身につける機会とする

担当
準備学修
(予習・復習)時間

「各回の準備学修」項目を確認し、講義・演習は4時間(実技・実習は2時間)程度の予習・復習を奨励します。

課題やレポート提出が必要な場合はそれらに取り組み、常に授業内容の理解を深めるための学習時間が必要となる。

教科書

全国大学博物館学講座協議会西日本部会 編『新時代の博物館学』芙蓉書房出版、2012

参考書・文献

蓑豊『超・美術館革命―金沢21世紀美術館の挑戦』角川書店、西沢立衛『美術館をめぐる対話』集英社新書、水藤真『博物館を考える―新しい博物館学の模索』山川出版社、美術検定実行委員会編『新・アートの裏側を知るキーワード』美術出版社

履修条件

文化学科に在籍し「学芸員」の資格を取得希望する学生は、本授業を1年次に受講し単位を取得すること。本科目の単位取得せずにその他の学芸員関連科目各論を履修することはできない。

ICT活用 ■双方向型授業【映像資料を活用し最新情報に触れる機会をつくる】
■自主学習支援【GoogleクラスルームやEメールを使用し資料配布やレポート添削を行う】
実務経験 ■実務経験の内容【美術館で学芸員としての勤務経験あり】
■所持している業務関連資格【学芸員】
備考