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博物館経営論
原田 和彦
大学名 清泉女学院大学
学部・学科 文化学科 専門教育科目
開講キャンバス 上野 授業形態 講義
履修区分 選択 単位数 2単位
配当年次 2年 開講期
授業の概要

この授業は、博物館の形態面と活動面における適切な管理・運営について理解し、博物館経営(ミュージアムマネージメント)に関する基礎的能力を養う。具体的には、現在の博物館の問題点を具体的に抽出することによって、それらをミュージアムマネージメントという視点に立って、どのように解決すべきか、また日本のミュージアムはどのように解決してきたのかについて考える。単なる座学にとどまらず、長野市とその周辺の複数の地域博物館を取り上げ、その具体的な取り組みの事例を見学したり分析することで、より理解が深まる授業を予定している。

学習到着目標

博物館の形態面と活動面における適切な管理・運営について理解し、博物館経営(ミュージアムマネージメント)に関する基礎的能力を養う。具体的な博物館運営を調査することで、課題発見力と論理的思考ができる力を養成する。

成績評価方法

授業中の小レポート(40%)、定期試験(レポート)(60%)で評価する。

課題に対する
フィードバック方法

授業時の小レポートについては、次回の授業などで取り上げコメントする。

アクティブ
ラーニング要素
□外部連携の課題解決型学習(協定あり) □ディスカッション・ディベート ■グループワーク ■プレゼンテーション(発表) □実習・実技・実験 ■フィールドワーク □リアクションペーパー
授業計画
授業項目・内容 / 各回の準備学修(予習・復習)について / 担当
1 内容

博物館とは何か

  博物館の施設、職員、そして予算についての概略を勉強する。

予復習

博物館のHPなどで、どのような組織となっているか確認しておく。

担当
2 内容

博物館の機能

  博物館経営という概念から、博物館の使命、その評価について学ぶ。

予復習

博物館概論など関連する授業から博物館機能について復習をしておく。

担当
3 内容

博物館の今日的課題

 指定管理者制度、地方独立行政法人など、博物館を取り巻く新たな形態について学ぶ。

予復習

指定管理者制度とは何か、インターネットなどで確認しておく。

担当
4 内容

博物館における教育普及

 博物館が持つ固有の性格から、その教育はどうあるべきかをみんなで考え、理解する。

予復習

博物館教育論で学んだことを復習しておく。

担当
5 内容

博物館と利用者

 ミュージアムショップ、利用者満足等について理解する。

予復習

文化庁「多様なニーズに対応した美術館・博物館のマネジメント改革のためのガイドライン」を同HPから確認しておく。

担当
6 内容

博物館における連携①

 小中学校との連携について理解する。

予復習

学校で博物館を利用した時の感想をまとめておく(準備学習4時間以上)。

担当
7 内容

博物館における連携②

 市民参画の形態(友の会 同好会活動 各種の「座学」)について理解する。

予復習

平塚市博物館の「教室・ワーキンググループ」の事業内容をインターネットで確認しておく。

担当
8 内容

博物館における連携③

 市民参画の形態(ボランティア活動)について学ぶ。

予復習

九州国立博物館の「あじっぱ」について調べておく。

担当
9 内容

博物館における連携③

 地域社会との連携、地域振興との関係を理解する。

予復習

金沢21世紀美術館についてインターネットなどで調べておく。

担当
10 内容

博物館における連携④

 博物館相互の連携について考え理解する。

予復習

動物園における動物の貸し借りなど調べておく。

担当
11 内容

博物館の運営形態⑤

 フランス発祥のエコミュージアムは日本でどのように受け入れられたか、その可能性と限界 について考え理解する。

予復習

「山形県朝日町」、「阿蘇たにびと博物館」の取り組みについて調べておく

担当
12 内容

博物館における危機管理

 文化財の管理、来館者の管理について考え理解する。

予復習

文化庁HPの「博物館における施設管理・リスクマネージメントガイドブック 基礎編」の内容を確認しておく。

担当
13 内容

博物館と広報活動

 印刷物からSNSまで、広報の最前線とは何かを考え理解する。

予復習

近年のSNSでどのような情報発信が有効かの報告準備をしておく。

担当
14 内容

レクリエション施設としての博物館

 人はなぜ博物館を訪れるのか、旭山動物園の事例を通して考え理解する。

予復習

参考文献『博物館体験―学芸員のための視点』に目を通しておく。

担当
15 内容

これからの博物館像

  観光立国、インバウンドと資料の保全といった相反するものとどう向き合うか考え理解する。

予復習

文化庁「美術館・博物館の特徴的な取組に関する調査事業」の内容を確認しておく

担当
16 内容

定期試験(レポート)

予復習

(準備学習4時間以上)

担当
準備学修
(予習・復習)時間

「各回の準備学修」項目を確認し、講義・演習は4時間(実技・実習は2時間)程度の予習・復習を奨励します。

教科書

適宜資料を配布します

参考書・文献

フォーク,ジョン・H ほか『博物館体験―学芸員のための視点』 雄山閣

履修条件
ICT活用
実務経験 ■実務経験の内容【長野市立博物館、真田宝物館 学芸員(現職) 信州大学、松本大学、国立長野工業高等専門学校 非常勤講師】
■所持している業務関連資格【学芸員(國學院大学)】
備考

例年3館ほどの、博物館の見学をしています。