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博物館展示論
赤松 さやか
大学名 清泉女学院大学
学部・学科 文化学科 専門教育科目
開講キャンバス 上野 授業形態 講義
履修区分 選択 単位数 2単位
配当年次 3年 開講期
授業の概要

この科目は、博物館展示に関する基本的な知識を習得するとともに、現代における展示の様々な具体的事例の理解を深め、展示の企画構想に必要な技術も含め身につける授業である。博物館における展示に必要な基本的情報やルール、空間や図面を読み解く能力、シナリオやストーリーの構築力などを養い、特に人文系=歴史、美術、民俗、文学、郷土資料等を取り扱う博物館で勤務する学芸員にとって必要となる、展示の発想や技術、対話力を高める。

学習到着目標

博物館における展示の役割や最新情報に触れながら、実際に展示をつくり出すことができる視野を広げ、空間デザインやシナリオ制作を通じての行動力を高める。また従来型のものから新しいかたちの博物館まで幅広い種類の展示を理解し、展示のアイディアを構成する基礎となる企画立案力を養う。

成績評価方法

実技やアイディア構成およびデザイン課題を40%、レポート課題を30%、本授業への参加姿勢度を30%として評価する。

課題に対する
フィードバック方法

毎回授業中に書いてもらうリアクションペーパーによる感想や質問を翌週の授業で取り上げ、コメントをし、理解を深める。

アクティブ
ラーニング要素
□外部連携の課題解決型学習(協定あり) □ディスカッション・ディベート ■グループワーク ■プレゼンテーション(発表) ■実習・実技・実験 □フィールドワーク ■リアクションペーパー
授業計画
授業項目・内容 / 各回の準備学修(予習・復習)について / 担当
1 内容

イントロダクション~授業概要説明:博物館展示の概念についての大枠を提示し、使用テキストを紹介する中でどのように授業が進行するか理解する。

予復習

授業履修に必要な道具について連絡をするので、使用回までに準備すること。次週までにテキスト1章を読み、疑問や不明点をまとめてくること。

担当
2 内容

展示と博物館:陳列から展示になる意味や歴史について、テキスト1章を相互に読み込みながら掘り下げる。

予復習

次週までにテキスト2章を読み、疑問や不明点をまとめてくること。

担当
3 内容

展示のプロセスと人:プロの仕事としての博物館展示の構築ついて、テキスト2章を相互に読み込みながら掘り下げる。

空間デザイン1:図面の読み取り、描画などを通じて展示空間の理解を深める。

予復習

次週までにテキスト3章を読み、疑問や不明点をまとめてくること。

道具の使い方について復習しておく。

担当
4 内容

博物館の展示をつくる:博物館の展示を作っていくプロセスを、テキスト3章を相互に読み込みながら掘り下げる。

空間デザイン2:図面の読み取り、描画などを通じて、さらに展示空間の理解を深める。

予復習

次週までにテキスト4章前半部分を読み、疑問や不明点をまとめてくること。

道具の使い方について復習しておく。

担当
5 内容

博物館展示のコンポーネント1:博物館の現場事例から、展示におけるコンポーネント(構成要素)とはどのようなものなのか理解する。

空間デザイン3:実際の空間を実測し、どのように空間が構成されているか考察する。

予復習

次週までにテキスト4章後半部分を読み、疑問や不明点をまとめてくること。

道具の使い方について復習しておく。

担当
6 内容

博物館展示のコンポーネント2:博物館の現場事例から、展示におけるコンポーネント(構成要素)とはどのようなものなのかさらに掘り下げて理解する。

空間デザイン4:実際の展示空間と展示物を実測し、展示図面を作成する。

予復習

テキスト1章から4章までを通して読みふりかえる。

道具の使い方について復習しておく。

担当
7 内容

空間デザイン5:実際の展示空間を実測し、展示に必要なデータを把握し、展示図面の見方、描き方を身につける。

予復習

身の回りにもある展示空間について意識を高める。

次週までにシナリオの構想案を考えておく。

担当
8 内容

シナリオ制作1:博物館での展示は単なる陳列では無い。展示となるためにはストーリーやシナリオが欠かせない。グループに分かれて模擬的な企画会議を行い、実際にシナリオ制作を行う。

予復習

シナリオおよびストーリー制作について、構想を練り、テキスト執筆をする。

担当
9 内容

シナリオ制作2:博物館での展示は単なる陳列では無い。展示となるためにはストーリーやシナリオが欠かせない。グループごとに、さらなる企画内容の掘り下げを行う。

予復習

シナリオおよびストーリー制作について、構想を練り、テキスト執筆をする。

担当
10 内容

シナリオ制作3:グループごとに、制作したシナリオに基づき、企画書や展示構成図面を作成する。展示の企画に必要なプロセスについて理解を深める。

予復習

シナリオおよびストーリー制作のプレゼンテーションの準備をしてくる。

担当
11 内容

シナリオ制作4:制作したシナリオについてプレゼンテーションを行ない、相互に批評する。

予復習

各自が発表したプレゼンテーションについてふりかえる。

担当
12 内容

展示作業の実技1:展示に欠かせないキャプション、パネルを実際に作成し、その役割について理解する。

予復習

展示の要素やデザインについて意識を高めておく。

道具の使い方について復習しておく。

担当
13 内容

展示作業の実技2:絵画の額装に必要なマットの制作を実際に行い、額装の考え方や手順を学ぶ。

予復習

展示の要素やデザインについて意識を高めておく。

道具の使い方について復習しておく。

担当
14 内容

展示作業の実技3:実際の壁に作品を展示し、展示作業に必要な実践的手法を修得する。

掛け軸の扱い方、展示の仕方を学ぶ。

予復習

次週までにテキスト7章を読み、疑問や不明点をまとめてくること。

担当
15 内容

展示の現場から:実際に展示制作や運営に携わる人々の声に触れる〜まとめ:これまでに習得した博物館展示に関する知識・理解をまとめる。

予復習

まとめレポート課題を課すので、期限までに執筆すること。(準備学習4時間以上)

担当
16 内容
予復習
担当
準備学修
(予習・復習)時間

「各回の準備学修」項目を確認し、講義・演習は4時間(実技・実習は2時間)程度の予習・復習を奨励します。

実技の習得が必要な場合はそれらに取り組み、常に授業内容の理解を深めるための学習時間が必要となります。

教科書

日本展示学会 編『展示論~博物館の展示をつくる~』雄山閣、2010

参考書・文献

日本展示学会 編『展示学事典』丸善出版、2019 /藤原工『学芸員のための展示照明ハンドブック (KS理工学専門書)』講談社、2014 /黒沢浩『博物館展示論 (KS理工学専門書)』講談社、2014

履修条件

学芸員資格希望者の課程履修者は必修の授業となる。授業にはコンベックスや定規、カッターなどの道具が必要となるため必ず準備すること。必要な道具の概要は授業の1回目に連絡する。

ICT活用 ■双方向型授業【シナリオ制作、展示空間理解や図面の読み取りなどの技術を身につける】
■自主学習支援【GoogleクラスルームやEメールを活用し、資料配布や課題の提出、コメント提出・添削を行う】
実務経験 ■実務経験の内容【美術館で学芸員としての勤務経験あり】
■所持している業務関連資格【学芸員】
備考