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国際看護学演習
上野 里美
大学名 清泉女学院大学
学部・学科 看護学科 専門教育科目
開講キャンバス 東口 授業形態 演習
履修区分 選択 単位数 1単位
配当年次 2年 開講期
授業の概要

本科目では,1年次の国際看護学概論の学修を踏まえ,グローバルヘルスの現状と課題を理解し,国際看護の実践に必要な基礎的知識の習得と国際的視野を養うことを目的とする.グローバリゼ―ションが人びとの健康にもたらす影響を学修し,健康格差の構造やそれを決定づける社会的要因について理解する.開発途上国における公衆衛生の現状から健康課題を考察し,その解決に向けた看護の役割,支援の方向性についてグループディスカッションで探究する.また,在留外国人,およびEPAの技能実習生を支援する機関でのフィールドワークやゲストスピーカーによる講義を通して,日本で暮らす外国人の文化的,社会的背景などの理解を深め,多文化共生社会を目指す日本社会の中で,看護に求められる役割について考察する.

学習到着目標

1.グローバリゼ―ションが人びとの生活と健康にもたらす影響を説明できる 2.健康の社会的決定要因とは何か説明できる 3.開発途上国における具体的な健康支援について考察できる 4.在留外国人の暮らしや健康について現状と課題を理解し,看護の役割を説明できる 5.多文化共生社会における看護の役割を説明できる 

成績評価方法

課題レポート①30% 課題レポート②30% 授業への参加姿勢度40%

課題に対する
フィードバック方法

課題レポートに対しては,課題提出後の授業で総評を行い,各学生にはコメントを付してレポートを返却する.

アクティブ
ラーニング要素
□外部連携の課題解決型学習(協定あり) ■ディスカッション・ディベート ■グループワーク ■プレゼンテーション(発表) □実習・実技・実験 ■フィールドワーク ■リアクションペーパー
授業計画
授業項目・内容 / 各回の準備学修(予習・復習)について / 担当
1 内容

1.ガイダンス:本授業の進め方,自己学習の進め方など

2.グローバリゼ―ションが人びとの生活と健康にもたらす影響について考える:Covid-19,ロシアによるウクライナ侵攻,大規模災害(トルコ・シリア大地震)による影響

予復習

予習として,シラバスの内容を確認しておく.ニュースなどで最近の世界情勢を調べておく.復習として,身近にあるグローバリゼーションの生活への影響を考える.

担当
2 内容

1.グローバルヘルスについて理解する

2.健康格差が生まれる原因と健康の社会的決定要因(SDH)について理解する

3.開発途上国の定義を理解する:貧困の定義,後発開発途上国とは

予復習

予習として,国際看護学概論の学びを振り返っておく.

復習として,健康の社会的決定要因について自分の言葉で説明できるようにしておく.

担当
3 内容

1. 開発途上国の栄養問題について理解する:ミャンマー,バヌアツ,イエメンの栄養不良の事例

予復習

予習として,栄養問題とは何を指すのか調べておく.

復習として,栄養問題に関連する健康の社会的決定要因について考える.

担当
4 内容

グループワーク1:①選択した開発途上国の栄養問題の現状 ②対象国の栄養問題の原因 ③対象国の取り組み ④栄養問題における看護の役割,支援の方向性

プレゼンテーション1:グループワーク1の発表と意見交換

予復習

予習として,グループ内で選定した対象国の栄養問題について調べておく.

復習として,グループワークの学びをまとめる.

担当
5 内容

1.開発途上国の水・衛生環境について理解する:水やトイレ事情から考える

予復習

予習として,グループ内で選定した対象国の水・衛生環境について調べておく.復習として,水・衛生問題に関する健康の社会的決定要因について考える.

担当
6 内容

グループワーク2:①選択した開発途上国の水・衛生環境の現状 ②対象国の水・衛生環境と健康の関連 ③対象国の取り組み ④水・衛生環境に関する看護の役割,支援の方向性

プレゼンテーション2:グループワーク2の発表と意見交換

予復習

予習として,水・衛生環境に関連する疾患について調べておく.予習として,グループワークの学びをまとめる.

担当
7 内容

1.日本に暮らす外国人の現状と課題を理解する:在留外国人の暮らしと健康,外国人医療の現状,保険制度,在留外国人の支援の現状(生活,医療,災害など)

予復習

予習として,在留外国人の定義を調べておく.

復習として,長野市の在留外国人の概況をまとめる.

担当
8 内容

グループワーク3:長野市国際交流コーナー見学の準備 ①長野市国際交流コーナーの目的,活動内容を調べる

プレゼンテーション3:グループワーク3の発表と意見交換

予復習

予習として,長野市国際交流コーナーについてWebサイトなどを利用して調べておく.

復習として,見学時の質問事項をまとめる.

担当
9 内容

長野市国際交流コーナー見学:職員によるミニ講義・意見交換

予復習

予習として,見学の目的,職員の方への質問事項を確認しまとめておく.

担当
10 内容

長野市国際交流コーナー見学:日本語教室の見学,来所者との交流(インタビュー含む)など

予復習

予習として,来所者へのインタビュー内容,方法を確認し準備する.

担当
11 内容

グループワーク4:①長野市国際交流コーナーでの学びの共有 ②長野市の在留外国人の健康支援の現状と課題 ③在留外国人の健康支援における看護の役割

プレゼンテーション4:グループワーク4の発表と意見交換

予復習

復習として,国際交流コーナーの見学,来所者へのインタビュー,グループワークでの学びをまとめる.

担当
12 内容

1.経済連携協定(Economic Partnership Agreement:EPA)の現状と課題を理解する

グループワーク5:①外国人と一緒に働くことについて(言葉の壁,文化の壁などについて考える)

予復習

予習として,EPAとは何か調べておく.

復習として,異文化を受入れるために自分にとって必要なことを考えまとめる.

担当
13 内容

ゲストスピーカー:テーマ「介護現場における技能実習生受入れの取り組み(仮)」

ディスカッション:質疑応答,意見交換

予復習

予習として,日本における外国人のの看護・介護人材の現状を調べておく.復習として,多文化共生社会における看護の役割について考えをまとめる.

担当

ゲストスピーカー

14 内容

1.国内外における自然災害に対する国際協力活動の実際と課題について理解する:国際緊急援助隊(JDR),国際赤十字・赤新月社連盟(IFRC),NGOなどによる活動における現状と課題

2.国際災害支援における日本の役割:国際看護に求められていること

予復習

予習として,日本がこれまで行ってきた自然災害における国際協力活動について調べておく.復習として,国際災害支援における看護の役割をまとめる.

担当
15 内容

1.国際看護活動の展望と課題

2.本授業のまとめ

予復習

予習として,今後自分がどのように国際協力活動に関与していきたいか考えておく.

復習として,総復習する.

担当
16 内容
予復習
担当
準備学修
(予習・復習)時間

「各回の準備学修」項目を確認し、講義・演習は2時間程度の予習・復習を奨励します。

教科書

1.看護の統合と実践[3]災害看護学・国際看護学,竹下喜久子編,第4版,医学書院

2.この他,適宜資料を配付する

参考書・文献

1.国際看護・国際保健,丸井英二他編,初版,弘文堂

2.この他,適宜Webサイトや文献を紹介する

履修条件

1年次の国際看護学概論を履修していること

ICT活用 ■双方向型授業【Google Classroom,Google Formを活用して,関連資料の配信,情報共有,意見交換の機会を提供する】
■自主学習支援【国際看護に関連するWebサイト情報を提供し,自己学習を支援する】
■遠隔授業【Covid-19 の感染状況に応じて,適宜ZoomやGoogle Meetなどを活用する】
実務経験 ■実務経験の内容【バヌアツ共和国でJICA海外協力隊として2年半看護活動,この他フィリピン,ミャンマー,タイ等での研究活動】
■所持している業務関連資格【看護師】
備考