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国際・看護海外演習(米国・アジア)
上野 里美
大学名 清泉女学院大学
学部・学科 看護学科 専門教育科目
開講キャンバス 東口 授業形態 演習
履修区分 選択 単位数 2単位
配当年次 4年 開講期
授業の概要

本科目では,南大洋州のバヌアツ共和国でのフィールドワークを通して,日本とは異なる文化・風土・伝統,教育,政治,社会・経済的背景をもつ人びとの暮らしを理解し,グローバルな視点から健康課題を捉え,国際社会における看護の役割について考察を深めることを目的とする.バヌアツ共和国特有の生活様式や人びとの価値観に触れ,異文化への理解を深める.また,国の基幹病院,地域のヘルスセンター,看護学校の視察,および現地で活動する看護師などの保健医療従事者や看護学生との交流を通して,保健医療サービスや看護教育の現状を理解し,地域住民の健康生活に影響を与える要因と課題解決のためのアプローチについて共有する.さらに,自然災害の多い島嶼国という地域特性を学び,災害看護学の既習知識をもとに,防災・減災の観点から災害看護のあり方について考察する.

学習到着目標

1.地域住民の文化や生活の特徴を理解し,健康生活に影響を与える要因を考察できる.2.現地の保健医療ニーズや健康課題を捉え,課題解決に向けた看護の役割を考察できる.3.自ら異文化を体験することで,多様な異文化背景をもつ対象への看護支援のあり方について考察できる.4.主体的にコミュニケーションを図ることができる.5.国際看護活動に必要とされる基礎的な知識,技術,態度,感性を身につけることができる.

成績評価方法

事前学習課題:20% フィールドワークの取りくみ:40% 課題(中間・最終)プレゼンテーション:20% 最終課題レポート:20%

課題に対する
フィードバック方法

事前学習課題,課題プレゼンテーションに対しては,教員の総評を授業でコメントする.

フィールドワークの取りくみに対しては,その都度コメントする.

最終課題レポートについては,コメントをつけて返却する.

アクティブ
ラーニング要素
□外部連携の課題解決型学習(協定あり) ■ディスカッション・ディベート ■グループワーク ■プレゼンテーション(発表) ■実習・実技・実験 ■フィールドワーク ■リアクションペーパー
授業計画
授業項目・内容 / 各回の準備学修(予習・復習)について / 担当
1 内容

オリエンテーション:①本演習の進め方 ②海外フィールドワークの概要 ③バヌアツ共和国の概況 ④たびレジ登録(外務省 海外安全情報配信サービス)

予復習

(予習)国際看護学概論,国際看護学演習,国際保健の学修内容を見直して臨む

(復習)フィールドワークの自身の目的をまとめる

担当
2 内容

1.カントリー・プロファイルの作成①(日本とバヌアツ共和国):両国の地域特性,文化,慣習,伝統,歴史,教育,政治,社会経済状況の情報収集・まとめ 2.簡単な英語,ビスラマ語の練習(挨拶)

予復習

(予習)外務省,厚労省,WHOなどのWebサイトで日本とバヌアツの情報を閲覧しておく

(復習)両国の概況をまとめる

担当
3 内容

1.カントリー・プロファイルの作成②:両国の保健医療制度,保健指標,風土病,感染症(Covid-19,マラリア,デング熱など),健康づくりの施策, バヌアツの自然災害や温暖化への取りくみ等に関する情報収集・まとめ 2.簡単な英語,ビスラマ語の練習(自己紹介)

予復習

(予習)WHOやバヌアツ保健省,環境省などのWebサイトを閲覧しておく (復習)両国の保健医療の概況,バヌアツの自然災害への取りくみをまとめる

担当
4 内容

1.フィールドワークの進め方①:課題発見・解決に向けた手法についての講義(平和学エクスポージャー5STEPについて)2.簡単な英語,ビスラマ語の練習(自己紹介シートの作成)

予復習

(予習)配布資料を読んでおく

(復習)講義内容を見直しておく

担当
5 内容

1.フィールドワークの進め方②:課題発見・解決に向けた手法についての演習(グループワーク) 2.簡単な英語,ビスラマ語の練習(自己紹介シートの作成)

予復習

(予習)配布資料を読み,前回の内容を見直しておく(復習)自己紹介シートを完成させる

担当
6 内容

1.プレゼンテーション・ディスカッション:パワーポイントを用いて両国のカントリー・プロファイルの紹介,現地フィールドワークで明確にしたい個人の課題と活動の方向性を発表し意見交換する

予復習

(予習)プレゼンテーションの準備を行う

(復習)フィールドワークで明確にしたい課題をまとめておく

担当
7 内容

1.フィールドワーク計画の立案:フィールドワーク計画(個人・グループ)の立案 ②日本を紹介するプレゼンテーション資料の作成 2.簡単な英語,ビスラマ語の練習(プレゼンテーションの始まりと終わりの表現など)

予復習

(予習)プレゼンテーションの準備を行う

(復習)ディスカッションの内容をもとにフィールドワーク計画の修正を行う

担当
8 内容

1.出発前オリエンテーション:①旅程の確認 ②海外安全情報の確認(感染症,災害,テロなど)③渡航中の健康管理について

予復習

(予習)旅程,フィールドワーク計画を見直しておく

(復習)出発まで現地の安全情報の確認を行い,体調管理に留意する

担当
9 内容

フィールドワーク①

在バヌアツ大使館訪問,JICAバヌアツ支所訪問,バヌアツ保健省訪問,首都ポートビラ市内の小学校訪問,公設市場の見学

予復習

現地にてフィールドワーク

フィールドワーク計画に基づいて行動し,その日の振り返りを行う

担当
10 内容

フィールドワーク②

ビラ中央病院(国の基幹病院)の見学,バヌアツ看護学校訪問:看護学生,看護師との交流(両国の紹介,フィールドワーク計画の共有)

予復習

現地にてフィールドワーク

フィールドワーク計画に基づいて行動し,その日の振り返りを行う

担当
11 内容

フィールドワーク③

ポートビラ市内のコミュニティで住民インタビュー,バヌアツ看護学校訪問(インタビューの感想,疑問などを共有)

予復習

現地にてフィールドワーク

フィールドワーク計画に基づいて行動し,その日の振り返りを行う

担当
12 内容

フィールドワーク④

母子保健センターの見学,バヌアツ障がい者協会の見学

予復習

現地にてフィールドワーク

フィールドワーク計画に基づいて行動し,その日の振り返りを行う

担当
13 内容

フィールドワーク⑤

エファテ島北部のサウピアヘルスセンターおよびヘルスポストの見学,エキペ小学校訪問(子どもたちとの交流)

予復習

現地にてフィールドワーク

フィールドワーク計画に基づいて行動し,その日の振り返りを行う

担当
14 内容

フィールドワーク⑥

ポートビラ郊外のイフィラ島訪問:ヘルスセンター,幼稚園,小学校の見学,住民インタビュー,最終プレゼンテーションの準備

予復習

現地にてフィールドワーク

フィールドワーク計画に基づいて行動し,その日の振り返りを行う.最終プレゼンテーションの準備を行う

担当
15 内容

フィールドワーク⑦

最終プレゼンテーション・ディスカッション(学びの共有)@バヌアツ看護学校

予復習

現地にてフィールドワーク

最終プレゼンテーション・ディスカッションで得た知見をまとめる

担当
16 内容

課題レポートの評価とまとめ

予復習
担当
準備学修
(予習・復習)時間

「各回の準備学修」項目を確認し、講義・演習は4時間(実技・実習は2時間)程度の予習・復習を奨励します。

教科書

1.看護の統合と実践[3]災害看護学・国際看護学,竹下喜久子編,第4版,医学書院

2.この他,適宜資料を配付する

参考書・文献

1.知って考えて実践する 国際看護,近藤麻理編,第2版,医学書院

履修条件

選択科目の2年次国際看護学演習,3年次国際保健の履修を推奨する.両科目を履修していない希望者には,事前課題を課すことで履修を認める.

ICT活用 ■双方向型授業【Google Classroom,Google Formを活用して,関連資料の配信,情報共有,意見交換の機会を提供する】
■自主学習支援【フィールドワークに関連するWebサイト情報を提供し,予習復習での活用を促す】
■遠隔授業【事前準備において,現地とZoomやGoogle Meetなどを活用した情報交換,交流を支援する】
実務経験 ■実務経験の内容【バヌアツ共和国でJICA海外協力隊として2年半看護活動,この他フィリピン,ミャンマー,タイ等での研究活動】
■所持している業務関連資格【看護師】
備考