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文化学科 山中瑶子監督の映画特別講義
11月21日(水)、文化学科の映画の授業「映像芸術論」(担当 村尾静二先生)において山中瑶子監督の特別講義が行われ、45名の学生が受講しました。山中監督は長野市出身の映画監督で、この秋に公開された「ナミビアの砂漠」(2024年)でカンヌ国際映画祭の国際映画批評家連盟賞を受賞されました。
講義では最初に、高校時代の映画体験や映画監督を志すようになったいきさつについて、お話いただきました。高校生のとき、映画館は自分にとって物語に没入できる守られた場所であったこと、同じ俳優が出演していても監督によって作品の仕上がりが異なることから監督の仕事に関心をもつようになったことなど、興味深い話が続きました。
次に、短編作品「魚座どうし」(2020年)を皆で鑑賞し(鮮烈な編集が印象に残る、とても素敵な作品でした)、この作品はどのように制作されたのか、具体的にお話いただきました。映画監督は演出だけでなく、編集や撮影そして小道具まで、作品を構成するすべての要素を決定し、その責任を負う仕事であるとのこと、映画監督に求められる資質や感性、そこから生まれる映像表現の奥深さについて知ることができました。
また、映画との向き合い方についてもお話しいただきました。外国の映画や昔の映画を観ると、理解できない表現に出会うことがあります。理解できないと人は戸惑い、不安になります。それに対し、山中監督はなぜ理解できないのかを言語化して分析することで、受け入れられるようになったこと、そして、国も時代も異なるそれらの映画こそが自分の考え方を豊かにしてくれたと話されました。この話から、知らない世界と敢えて向き合うことで、自身の感性を鍛え、世界観を広げることができるのだと学びました。
学生との質問・対話の時間になると、映画の見方・撮り方、映画と音楽との関係、脚本の書き方、映画館の魅力とは、さらには夢を実現するための心得など、話題は尽きませんでした。
講義に参加し、映画を鑑賞する際の新たな視点を得ると同時に、人生を豊かにするためのヒントをいただいたように感じています。この体験をもとに、これからも主体的に様々な映画を鑑賞し、未知の世界と出会い、仲間と語り合い、学びを深めていきたいです。
人間学部文化学科4年 中村真奈美(映画鑑賞サークル長)