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文化学科 リデザイン信州文化~長野の伝統文化をつなぐ~

2025年01月06日 【 人間学部文化学科

伝統工芸の未来について考える特別イベントを、3名のゲスト講師をお招きして開催しました。高校生の皆さんと一緒に、伝統工芸の素晴らしさと、最新技術による新たな可能性について考える貴重な機会となりました。

≪開催概要≫
2024年12月7日(土)13時30分~16時
【ゲスト】
有限会社 柳沢木工所 代表取締役 栁澤哲夫さま
おもちゃコンサルタント・木工インストラクター 栁澤由香利さま
長野県中小企業団体中央会 伝統的工芸品 支援員 佐藤浩さま

 課題解決型の文化学を提唱する清泉女学院大学文化学科主催で、文化や芸術に関する情報共有・発信・学習の場をつくる講座を開催します。信州の伝統工芸のこれまでとこれからを見つめる企画として、デザインや技術の伝統継承や課題について考えます。また体験型で学べるワークショップも準備しています。

≪匠の技が織りなす美の世界≫
 イベントの冒頭では、栁澤木工所 代表取締役 栁澤哲夫さまから伝統的な工法を活かして作られた木工作品の数々が紹介されました。長年培われてきた職人技と現代的なデザインの融合によって生み出される木工作品の繊細さと美しさに、参加者たちは目を輝かせていました。

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≪伝統工芸が直面する課題≫
 続いて、長野県中小企業団体中央会 伝統的工芸品 支援員 佐藤浩さまの報告では、県内の伝統工芸が抱える深刻な問題が明らかになりました。技術を受け継ぐ後継者不足により、長年受け継がれてきた貴重な技術が失われる危機に直面しているそうです。会場からは驚きの声とともに、「何か自分たちにできることはないだろうか」という前向きな意見も聞かれました。

≪最新技術が拓く新たな可能性≫
 文化学科からは、レーザー加工機を活用した最新の工芸技術について紹介がありました。伝統的な技法を守りながらも、最新技術を取り入れることで、新たな表現方法や効率的な製作過程が可能になることが示されました。
 特に注目を集めたのは、栁澤木工所での取り組みです。こちらでも伝統的な木工技術を継承しながら、レーザー加工機を積極的に導入することで、製品の付加価値を高めることに成功しているとのことです。この事例は、伝統と革新が見事に調和した好例として、参加者の関心を集めました。

2.jpg≪未来を考えるグループディスカッション≫
 イベントの締めくくりとして、参加者たちはグループに分かれ、おもちゃコンサルタント・木工インストラクター 栁澤由香利さまの作品を実際に手に取りながら、伝統工芸の未来について活発な意見交換を行いました。「伝統技術を現代のニーズに合わせて進化させていくことが大切」「若い世代として伝統工芸の魅力を発信していきたい」など、建設的な意見が多く出されました。

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≪おわりに≫
 今回のイベントを通じて、伝統工芸は決して過去の遺物ではなく、最新技術と融合することで、さらなる発展の可能性を秘めていることが明らかになりました。高校生の皆さんには、こうした伝統と革新の調和に、ぜひ関心を持っていただければと思います。

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