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「企業と医療と患者をつなぐオンライン情報交換会」を開催しました。
2020年09月16日 【 看護学部 】
医療の進歩により、先天性心疾患や小児がん、医療的ケアの必要な疾患の子どもたちの延命が可能となり、様々な合併症を持ちながら、また医療支援を受けながら成人期を迎える子どもが増えています。このような子どもの多くが、健康上の不安や障がいによって生活に様々な制限があり、就労においては困難な壁に直面しています。2015年、病気や障がいのある子どもたちの多様な社会参加のための就労支援体制が構築されている、英国ロンドンにあるDown's Syndrome Associationが運営する WorkFitの就労支援について学んできました。本人の「強み・興味」を活かせる職場の選択肢の拡大のためには、将来像を描けるような医療と教育の連携、継続した本人の特性を活かした自立・就労ができる支援が充実していました。
日本においては、病気や障がいのある子どもたちの自立の上で重要な就労に関して、社会はまだ対応が追い付いていないのが現状です。そこで今回は、代表取締役小林豊様(有限会社ナツバタ製作所)の共催を得て、「企業と医療と患者をつなぐオンライン情報交換会」を企画し実施しました。(詳細はこちら)
登壇者は、安河内聰様(長野県立こども病院循環器センター長)、落合亮太様(横浜市立大学医学部看護学科准教授)、先天性心疾患患者である猪又竜様にお願いしました。当日は、企業から14社、医療、教育、福祉、当事者、行政から約60名が参加してくださいました。ある企業の社長さんから「本人のもつ強みを理解できるような情報がほしい、その上で仕事への意欲をもつ人であれば、当社は受け入れに前向きに取り組みたい」という発言があり、それぞれの立場から、温かい雰囲気の中で語り合うことができました。雇う側である企業が考える雇う際の悩み・不安、医療からの情報提供、当事者からの思いを共有し、病気と共に大人なる子どもたちが暮らしやすい共生社会をつくっていく必要があります。活動については、清泉女学院大学のホームページ等で公開していきますので、ご興味のある方は是非、ご参加ください。
清泉女学院大学 看護学部看護学科
小児期看護学・准教授 北村 千章