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イベントレポート - 第3回リデザイン信州文化

2021年03月26日 【 イベント文化学科

ゲスト
古畑 敦 (鬼無里ふるさと資料館)
下山哲司 (信州古民家の宿 燕-EN-)
吉田廣子 (鬼無里地区住民自治協議会)
田村英彦 (株式会社ふろしきや)

日時:2021年2月28日(日)、10時~12時
ZOOMによるオンライン開催

毎年開催してきた「リデザイン信州文化」も今年で第三回目となりました。このイベントは、伝統文化を地域資源としてどのように存続・発展させていくかというテーマに取り組むもので、文化学科がこの地に存在する意義を追求する目的で開催しています。前回は、「地域文化の継承と再生」というテーマで実施し、今回は「文化による地域の活性化」というテーマで開催しました。今年はコロナ禍での実施となり、ゲストスピーカーと本学教員は対面で、一般参加者と学生24名はZOOM会議方式で行いました。

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今年は長野市の鬼無里地区に注目し、文化の継承と地域の活性化について現地で活動している方々、鬼無里ふるさと資料館職員の方、そして県内・県外で活動されている地域プロジェクトの専門家にお集まりいただきました。前半は3名のゲストのお話しを伺い、後半はゲストと参加者で意見交換をしました。

まず、鬼無里ふるさと資料館の古畑敦氏に、鬼無里の歴史と文化についてお話いただきました。祭屋台、春の例大祭、鬼女紅葉伝説など豊かな伝説や食文化があること、そしてそれらの文化が今なお生活の中に直結していることを教えていただきました。

次に、下山哲司氏から古民家の活用のこと、地域プロジェクトのお話しを伺いました。下山氏は数年前に東京浅草から鬼無里に移住し、現在古民家の宿 燕-ENを経営されています。ご自身が「古きを残し、古きを活かしつつ、未来につながる新しいことに挑戦」をモットーに地域の様々なプロジェクトに関わっている様子をお話しくださいました。様々な活動を熱心にされている住民の姿に、地域のエネルギーを感じました。

そして、最後に「まち・ひと・しごとの未来をまとめる」プロジェクトの推進をしている株式会社ふろしきやの田村英彦氏に、地域を活性化するための幾つかのヒントをお話しいただきました。例えば、千曲市で行っている「ワ―ケーション体験」の話を題材に、従来の観光事業にみるヒジターとホストの立場を超えて、ビジターとも「暮らす人」目線でのフランクな交流が大切であること、そして地域と関わるような環境づくりについて、また最近のライフスタイルの変化に応じて、定住人口の増加を図るより、通い人口の増加に注目すべきことなどについて伺いました。

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後半は、鬼無里住民自治協議会の吉田廣子氏にもご参加いただき、地域住民の活動とその活動にたずさわる思いについて伺いながら、地域の活性化のための地域文化の活かし方をテーマに、その課題と可能性について話し合いました。「地域で様々な活動が進行する中、結果は出ていますか?」という問いに対して、地域住民はとても協力的で上手くいっているという意見がありました。その一方で、高齢化が進む中での文化の伝承や活動を推進していくことの難しさについての指摘がありました。

今回、鬼無里にはとても豊かな文化資源があり、地域を愛する人々が沢山いることを知ることができました。しかし、ご多分に漏れず、ここでも人口減少などの問題がありました。地域で活動されている方々のお話しを伺いながら、活動と活動が、また人と人が繋がって地域のこれからのイメージを共有できれば、未来は明るいのではないかと思いました。どうしたら「繋げる」ことができるのか?未来についてどんなイメージを持つのか?行政や大学は、地域未来のイメージ化やコトやヒトを「つなげる」役割を担っていると思います。文化学科では、地域の人々や行政と対話を重ねて連携し、地域づくりに貢献していきたいと考えています。

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