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イベントレポート - 第4回リデザイン信州文化「『司書・図書館』をリデザインする」
2022年12月20日 【 イベント|人間学部|文化学科 】
ゲスト
松山大貴 | (長野市 副市長) |
森いづみ | (県立長野図書館 館長) |
矢口琴衣 | (長野県立美術館 司書) |
日時:2022年12月3日(土)、13時~15時
場所:清泉女学院大学 長野駅東口キャンパス 2F ホール
毎年開催してきた「リデザイン信州文化」も今年で第四回目となりました。「リデザイン信州文化」とは、長野県内の多様な文化を見つめ直す研究プロジェクトです。これまでは長野の伝統文化に焦点をあてたテーマで実施してきましたが、今回は「『司書・図書館』をリデザインする」というテーマで開催し、27名が参加しました。
第1部では、この夏に長野県内の高校生を対象に文化学科が実施した「図書館司書・図書館等に関する意識調査」の結果と分析について、本学榊原先生にご報告いただき、その後、県立長野図書館の森いづみ館長より、結果についてコメントをいただきました。
第2部では、第3部へ続く基礎情報の共有と、話題提供・問題提起として、ゲストの方々が現在取り組まれていることについてお話しいただきました。
まず、森館長より、「デジとしょ信州」や「信州ナレッジスクエア」などを中心とする県立長野図書館の取り組みについてお話しいただきました。知識循環・知的創造の基盤として図書館が果たす役割など、地域社会における公共図書館のあり方について貴重なお話を伺いました。次に、長野県立美術館の矢口琴衣氏より、これまでの司書としてのご経験やアートライブラリーにおける業務の特徴についてお話しいただきました。美術館や博物館の中に図書室を設置し、専任司書を配置するということがいかに稀なことであるか、そして、アートライブラリーという専門図書館と他の図書館との違いについてご説明いただきました。さらに、松山大貴長野市副市長より、長野市における新産業創造の取り組みについてお話しいただきました。スマートシティNAGANO構想やスタートアップ企業の支援に関する事業など、未来を見据えた長野市の取り組みについてお話を伺いました。
第3部では、はじめに、第2部のお話に対して寄せられた質問についてゲストの方々にお答えいただきました。その後、ファシリテーターを交えて、第2部のお話をもとに、地域課題を解決していくために図書館や図書館司書にできることは何かについてゲストのみなさまに意見交換を行っていただきました。ディスカッションの中から、県立図書館が長野市における新産業の取り組みに知の拠点として関われる可能性が見えてきただけでなく、地域図書館を含む、図書館のこれからの姿を考えることができました。特に、森館長よりいただいた「学び続ける人を育てる支援」というご意見は図書館のこれからの方向性を示すものとして、とても心に残りました。
文化学科では、来年4月に図書館司書課程の設置を予定しています。「課題解決型文化学」を掲げる本学科は、「地域の課題解決を具体的かつ現実的に担っていける司書資格保有者」を養成していきたいと考えています。来年度より図書館司書課程における教育を展開していくにあたり、今回は貴重な学びの場となりました。