総合TOPへ 清泉女学院大学

  1. 清泉女学院大学
  2. TOPICS
  3. 「ドリアン助川講演会――小説『あん』ができるまで」報告

大学のTOPICS

「ドリアン助川講演会――小説『あん』ができるまで」報告

2020年03月24日 【 イベント人間学部文化学科

 清泉女学院大学の文化学科の主催で、「ドリアン助川講演会――小説『あん』ができるまで」が、20191116日(土)の午後(14:0016:00)、清泉女学院大学東口キャンパスにて開催され、90名が参加した。

 「文化をつむぎ、つなぎ、つくりだす」という文化学科の趣旨に沿いながら、助川さんは講演の主題「小説『あん』ができるまで」に本格的にとりくみ、このためにさまざまな50にも及ぶスライドを準備して下さった。バンドとして活躍された時代、東西の壁崩壊時の東欧訪問、カンヌ映画祭での写真など、聴衆も講演者の体験を直に共有することができた。

sukegawa02.jpg

 小説『あん』はいかにして生まれたのかという講演の主題から最後まで離れることなく、これがどのような着想ではじまり、出版社変更などの紆余曲折を経て出版され、それが映画化され、カンヌ映画祭に出品されるに至る経緯をエピソードを交えて情熱をもって語られた。因みに『あん』は、世界14か国に翻訳され、フランスで二つの文学賞を受賞し、さらにリセ(日本の高等学校)の教科書に載るまでに至る。

 そのエピソードの間には、助川さんの何事に対しても体当たりの人生、哲学、挫折、東欧への渡航、3年間のNYでの活動をさしはさみながら、しかも主題と離れることなく語るさまは、物語の組み立てに熟練したパーフォーマーにして芸術家の業そのものであった。

 最後は『あん』における徳江さんの手紙の一部が朗読され、聴衆の心を打った。2時間もあっという間に過ぎ時間が短く感じられた。気さくに参加者にも対応してくださり、人間として語り手としての魅力も発揮され、聴衆、講演側にとっても好評を博した講演会であった。

さらに詳しいレポートはこちらから

前の記事 |  新着一覧に戻る  | 次の記事